[ニュース]辺野古移設、沖縄県の敗訴確定=前知事の埋め立て承認「適法」−最高裁
[2016.12.21] 他の言語で読む : ENGLISH |

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事が是正指示に従わないのは違法として、国が地方自治法に基づき知事を相手に起こした訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日、知事側の上告を棄却した。国側の勝訴とした一審福岡高裁那覇支部判決が確定した。

最高裁は「仲井真弘多前知事が埋め立てを承認した判断に違法はない」と結論付けた。裁判官4人全員一致の意見。

稲田朋美防衛相は判決後、「取り消しが撤回され次第、速やかに埋め立て工事を再開する」と表明。翁長知事は撤回する方針だが、オスプレイの不時着事故で移設への反対姿勢を一層強めており、国と県の対立が解消する見通しは立っていない。

訴訟では、仲井真前知事が2013年に行った辺野古沿岸の埋め立て承認処分を、翁長知事が取り消せるかが争点となった。

最高裁はまず、高裁支部と同様に「元の行政処分に違法があれば取り消せる」と判断した。

その上で「普天間飛行場の危険性除去が喫緊の課題であることを前提に、県内の基地面積が相当縮小されることなどを考慮して埋め立てを承認した前知事の判断は明らかに妥当性を欠くものではない」と指摘。適法な前知事の判断を取り消した翁長知事の対応は違法と結論付けた。

高裁支部は判決理由で「普天間飛行場の被害を除去するには辺野古沿岸を埋め立てるしかない」と言及。国策を追認したと波紋を呼んだが、最高裁は辺野古移設の是非にまで踏み込まなかった。

国と沖縄県の対立は、15年に翁長知事が埋め立て承認を取り消したことで本格化。互いに提訴する異常な状態となり、和解を経て今回の訴訟に一本化された。地方自治法の規定で一審は高裁となり、国の提訴から約5カ月で最高裁判決を迎えた。 

「新基地造らせない」=辺野古訴訟敗訴で会見−沖縄県知事

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる訴訟で県側が敗訴したことを受け、翁長雄志知事は20日記者会見し、「今後も辺野古に新基地を造らせないという公約実現に向け、全力で取り組む。これからが踏ん張りどころだ」と決意を述べた。

午後7時に県庁の会議室に姿を現した翁長知事。一礼して報道陣を見回すと、一息ついて話し始めた。「法の番人として充実した審理を期待していた」「深く失望し、憂慮している」。最高裁への批判を繰り返した。

違法と判断された埋め立て承認取り消しについては、「(撤回に向け)速やかに手続きを進める」と明言。一方で、工事に必要な岩礁破砕などの知事権限は「(判決とは)関係ない」として、引き続きあらゆる手法で移設を阻止する考えを示した。

会見では、沖縄戦後の米軍施政下で、県民が自治権獲得に向け闘ってきた歴史にも言及。「今まさに新しいスタートになった。日米両政府が辺野古を断念するまで、県民は闘い抜くと信じている」と話し、前を見据えた。 

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  • [2016.12.21]
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