[ニュース]被災ローカル線、集客に汗=「雄大な風景見に来て」−観光シーズンの南阿蘇鉄道
[2017.08.20] 他の言語で読む : ENGLISH | ESPAÑOL |

昨年4月の熊本地震で被災したローカル線「南阿蘇鉄道」が、集客に汗を流している。1年4カ月が過ぎたが全線運行再開はできておらず、乗客は激減。緑が覆う雄大な風景が阿蘇に広がる観光シーズンに、同社関係者は「夏は阿蘇が美しく映える季節。ぜひ訪れて」と呼び掛けている。

熊本県高森町の高森駅と同県南阿蘇村の立野駅間の17.7キロを結ぶ南阿蘇鉄道は、地震で線路が流失するなどし全線不通に。約3カ月後に高森−中松間7.1キロで運行再開したが、全線の半分以上が依然不通だ。関係者は一日も早い完全復旧を望むが、全線開通は早くても5年後という。

熊本市などからの観光客を運ぶJR豊肥線と接続する立野駅が使用不能なため、2015年度に約26万人だった乗客は16年度は4万人に減少。運輸収入も7分の1に落ち込み、赤字に転落した。「外国人観光客が増えていたときに地震が来た。全国からの寄付金で16年度は小幅の赤字に抑えたが、17年度は厳しい」と同社の中川竜一総務課長はため息をつく。

苦境の中、同社は15人いた従業員を8人に削減。出版社と組み、「ドラえもん」などアニメの人気キャラクターを漫画家ら117人が描いたラッピングトレインを運行させるほか、列車全体を貸し切り運行できる権利「南阿蘇鉄道貸切権」をネットオークションで発売するなど、工夫を凝らして注目を集める策を展開。絵はがきセットといった「復興支援グッズ」や、大学生と地元レストランが共同で考案した駅弁を販売するなど、乗客や地域の支援も得て集客努力を続けている。

中川課長によると、今夏、休日で多い日は約300人が利用、トロッコ列車は予約で満席になることもある。しかし15年7〜8月の1日平均乗客数は700人で、地震前の水準には及ばない。

夏休みシーズン中、トロッコ列車からは雄大な眺めを味わえ、沿線では林の中を豊富な湧き水が流れる景観やブルーベリー狩りなども楽しめる。中川課長は「緑一面の水田や青葉の茂った高原などの車窓風景と沿線観光をぜひ楽しんで」とアピールしている。

南阿蘇鉄道のトロッコ列車「ゆうすげ号」(右)と、アニメの人気キャラクターなど
が描かれたラッピングトレイン=5日午前、熊本県高森町の高森駅(時事)

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.08.20]
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