[ニュース]カズオ・イシグロ氏にノーベル文学賞=日系英国人「日の名残り」
[2017.10.06] 他の言語で読む : ENGLISH | Русский |

【ロンドン時事】スウェーデン・アカデミーは5日、2017年のノーベル文学賞を日本生まれの英国人作家で「日の名残(なご)り」などのベストセラーで知られるカズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。授賞理由は「壮大な感情の力を持つ作品で、世界と結び付いているという幻想的感覚の下の深淵(しんえん)を暴いた」。村上春樹氏は受賞を逃した。

カズオイシグロ(ハヤカワ国際フォーラム「カズオ・イシグロ講演会」で対談=2015年6月。東京都千代田区のイイノホール)(時事)

1954年、長崎市で日本人の両親の元に生まれ、5歳で海洋学者の父らと英国に移住。後に英国籍を取得した。一時ミュージシャンを目指した後、執筆を始めた。

幼時の日本の記憶を描いた長編デビュー作「遠い山なみの光」(82年)で王立文学協会賞、「浮世の画家」(86年)でウィットブレッド賞を受賞。続く「日の名残り」(89年)は第2次世界大戦の前後を舞台に英国貴族に仕えた執事の半生を描き、英文学界最高の栄誉とされるブッカー賞を受賞、アンソニー・ホプキンス主演で映画化もされた。他の作品に日本でテレビドラマ化された「わたしを離さないで」(2005年)、短編集「夜想曲集」など。

今も階級社会的な色彩を多く残す一方、多民族化が進む英国で、民族的少数派に属しつつ、伝統的な英文学の基盤に立脚した作風を打ち出し、大きな反響を生んだ。

15年には10年ぶりの長編「忘れられた巨人」を発表。同年6月には来日し、慶応大での講演会では、小説家として「フィクションを通して人々の感情を動かし、そして共有したい」と学生たちに語り掛けた。

授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金900万スウェーデンクローナ(約1億2500万円)が贈られる。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.10.06]
この記事につけられたタグ:
関連記事
その他のコラム

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告