シリーズレポート「老いる日本、あとを追う世界」

笹川平和財団「アジアにおける少子高齢化」の記録

いま、日本には歴史上、例をみない「超・高齢化社会」が到来しようとしている。そして、後を追うように、アジア各国の高齢化も進んでいる。アジア地域の高齢化に対応するために笹川平和財団は、2015年に「アジアにおける少子高齢化」プロジェクトチームを立ち上げた。日本で、そしてアジアで、高齢化に関わるさまざまな課題と、解決に向けての取り組みを紹介する。

平地の人材不足を、山から補う—caregiverを創る—麻田 玲

タイ北部のチェンマイはバンコクなどの都市と比較して涼しく、その過ごしやすさから観光客だけでなく日本人をはじめとした外国人居住者も多い。旧市街は歴史文化遺産の城壁に囲まれ、市内だけでも100以上ある仏教寺院とのハーモニーは風情豊かである。国内最高峰のドイ・インタノンなど緑豊かな山岳地帯に囲まれる古都での高齢者向けの活動を紹介する。
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すでにあるものへの視点—タイの高齢者ケアからの学び—麻田 玲

タイの高齢化はASEAN諸国の中では群を抜いて進んでいる。タイ政府は高齢者ケアの担い手は「家族とコミュニティー」が根幹である方針を打ち出し、文化・社会の伝統に依存する姿勢だ。一方、人びとの日常では「高齢者ケア」はどのように理解され、実践されているのだろうか。現地でのフィールドワークから見えたことを2回にわたって報告する。
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フィリピン高齢者の健康と生活をサポートするNGO柏木 志保

フィリピンも人口が1億人に達し、高齢化が進んできた。政府や自治体は高齢者支援の制度の整備を進めてはいるものの、予算の不足などから、NGOとの連携によるボランティア活動への期待が高まっている。
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高齢者を大切にするフィリピン・ホスピタリティ柏木 志保

フィリピンも他の東南アジア諸国と同様に高齢者ケアの担い手は家族が中心だが、一人暮らしや経済的に厳しい高齢者には民間組織の連携による取り組みが行われている。こうした高齢者向けの取り組みには、フィリピンの高齢者を敬う伝統が息づいており、人々の温かさを感じることができる。
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月溪総合社会福祉館の「美しい隣人」事業金 成垣

韓国では地域福祉の担い手とし1980年代末から総合社会福祉館が整備された。中でもソウル市蘆原区月溪洞の月溪総合福祉館が始めた「美しい隣人」事業は、地域のニーズに合わせたモノとサービスの寄付を軸にした社会貢献活動として成功を収め、全国に広がっている。
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韓国の高齢者の居場所「思い出プラス」金 成垣

ソウル市内で高齢者が集まる町として知られる鐘路では、高齢者向けの支援活動が充実している。中でも民間企業の社会貢献活動による支援を受け、安価に飲食と憩いの場を提供する「思い出プラス」は、高齢者同士の交流促進や雇用創出などの効果を生み、注目されている。
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少子高齢化に立ち向かう地方商店街の活性化への挑戦河村 啓太郎

日本では、商店主の高齢化や後継者不足などで閉店を余儀なくされる店舗も多く、「シャッター商店街」が増加している。山口県周南市は、Iターン、Uターンの若者の新規出店を支援、若い世代を取り込みながらコミュニティを再構築し、商店街の活性化に成功した。
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ライフスタイルが変容する中国で「親孝行」の意識を醸成万 毅

春節(旧正月)などの祝日は家族がそろって祝うのが伝統的な中国でも、大都市では帰省しない人が増えている。親孝行のため頻繁な帰省を義務付けた『中国高齢者権益保障法』はこうした傾向に歯止めをかけることができるのか。
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少子高齢化が急に進む中国で義務化された「親孝行」万 毅

中国の憲法には「扶養扶助(親孝行)」の義務が明記されている。古来より「百善孝為先」といわれ、「親孝行」は美徳とされてきた中国では、親の老後は子が責任を持つべきいう意識が根強い。しかし、日本と同様に少子高齢化が深刻化する中、「親孝行」を巡る環境も、家庭幸福観・価値観も大きく変貌している。
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「高齢化先進国」日本企業の挑戦(タイ編 ②)竹内 幸史

タイの急速な高齢化と富裕層の需要を狙い、「高齢化先進国ニッポン」の企業が進出し始めた。老人ホームの運営など介護サービスの「日本モデル」が広まることで、良い効果が期待されている。
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