知られざる「チョウ大国」——世界が注目する台湾の自然生態

片倉 佳史【Profile】

[2017.10.14] 他の言語で読む : 繁體字 |

世界から注目される台湾のチョウ

台湾は世界に名だたる「チョウの王国」である。面積こそ日本の10分の1程度にすぎないが、そこには400種を超えるチョウが生息している。ちなみに、日本は約250種、イギリスはわずか70種あまりであることを考えると、その多さがよくわかる。また、生息密度は世界トップレベルと言われている。

台湾に生息する400種のうち、約40種が台湾の固有種である。台湾では愛好家や研究者以外、こうした事実を知る人は多くないが、世界中の愛好家が熱いまなざしを向けているのが台湾なのである。

台湾のチョウの種類が豊富なのは、複数の気候帯にまたがっていることが大きく影響している。北回帰線は台湾の中央よりやや南を通っており、緯度による区分ではその南側が熱帯となる。気候学上、台湾の大部分は温暖湿潤気候に属するが、高雄以南の低海抜地は熱帯モンスーン気候、最南端の恒春一帯と蘭嶼は熱帯雨林気候に属する。

また、台湾の山岳地帯は冷涼な気候で、最高峰の玉山(旧称・新高山)を中心とした中央山脈の山々は寒帯のツンドラ気候となっている。ここにはミドリシジミなど、シベリアや中国東北部、朝鮮半島に分布するチョウがいる。

温帯性気候の地域では日本と共通の種類が多く見られ、熱帯性気候の地域では目が覚めるような美しいチョウが見られる。大型の種類が多いこともあって、毎年のように台湾を訪れる愛好家たちも少なくない。

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  • [2017.10.14]

台湾在住作家。1969年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部在学中に初めて台湾を旅行する。大学卒業後は福武書店(現ベネッセ)に就職。1997年より本格的に台湾で生活。以来、台湾の文化や日本との関わりについての執筆や写真撮影を続けている。分野は、地理、歴史、言語、交通、温泉、トレンドなど多岐にわたるが、特に日本時代の遺構や鉄道への造詣が深い。主な著書に、『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年 1895―1945』、『台湾に生きている「日本」』(祥伝社)、『台湾に残る日本鉄道遺産―今も息づく日本統治時代の遺構』(交通新聞社)等。オフィシャルサイト:台湾特捜百貨店

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