日台交流の深化——地方議会レベルの横断組織、一方では課題も

酒井 亨【Profile】

[2017.10.15] 他の言語で読む : 繁體字 |

日本と台湾では、地方の官民によるさまざまな交流が増えている。鉄道や温泉の姉妹提携をはじめ、高齢者団体、住民組織同士の交流もある。

これは、主に台湾側が仕掛けたものだ。2004年に台湾人の日本への観光ビザの免除以降、それまで東京、関西、北海道が主な立ち回り先であったのが、農村部を含む日本の各地が訪問対象となった。

筆者自身も10年前に台湾人の友人から、鳥取の三朝温泉がどのようなところかを聞かれて、困ったことがある。また、この6月にフェイスブックで北海道の釧路湿原を通過したときのことをアップしたところ、台湾人の友人から「そこへ行ったが、何もなかった」というコメントをもらった。

その後、11年の東日本大震災に対する台湾からの多額の義援金によって、日本社会でも台湾の「親日」と友情が強い印象を与えることになった。全国各地の自治体観光課を回ると、多くの自治体がインバウンドの筆頭対象として台湾人を挙げてくる。

日本の国土は実はかなり広く、日本人自身も津々浦々に行っているわけではない。だが、台湾人は普通の日本人が足を運ばないような所まで訪れていて、舌を巻くことが度々ある。

知人から聞いた話で、徳島県三好市の大歩危峡では、ある日本人商店主が、台湾人客があまりにも多いため、台湾語をマスターして接客しているとのことである。今や都会から遠く、鉄道もないような過疎地であっても、台湾人は最高のお客さんになっている。

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  • [2017.10.15]

金沢学院大学基礎教育機構准教授。1966生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。台湾大学法学研究科修士課程修了。アジアの政治、経済、文化に関する研究に加え、近年は日本のアニメ文化とその影響力について調査している。著書に『アニメが地方を救う! ? - 聖地巡礼の経済効果を考える -』(ワニブックスPLUS新書、2016年)がある。

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