シリーズ シンポジウムリポート
日中文化交流は、今や世界の公共財
日中国交正常化40周年記念ワークショップ(1)概要
[2012.06.04] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 |

2012年3月15日、日中国交正常化40周年を記念し、北京の中国人民外交学会にてパブリックディプロマシー(公共外交)に関するワークショップが開催された。国際交流基金の小倉和夫前理事長と中国人民政治協商会議外事委員会主任委員の趙啓正主任の議論を中心に5回に分けて紹介する。

一般財団法人ニッポンドットコムは、法政大学国際日本学研究所アジア・中国研究チームと中国人民外交学会との共催で3月15日、日中国交正常化40周年記念ワークショップ「日中公共外交・文化外交の互恵関係深化の総合的討論―グローバル化が進む中でのお互いの参照と連携」を北京の中国人民外交学会で開催した。

日本側からは、小倉和夫前国際交流基金理事長、王敏法政大学教授、ニッポンドットコム副編集長の宮一穂京都精華大学教授、原野城治ニッポンドットコム財団代表理事らが参加した。中国側からは、中国人民政治協商会議外事委員会主任委員の趙啓正(ちょう・けいせい)主任、中国人民外交学会の黄星原(こう・せいげん)副会長、周恩来総理の姪で前中国人民政治協商会議委員の周秉徳(しゅう・へいとく)氏らが出席した。

日本側代表の小倉氏は基調講演で、文化外交は「日中相互の文化理解を超えた」時代に突入していると指摘。日中双方の文化は「今や世界共通のものである」との認識に立って、世界の“公共財”としての文化外交を推進する必要性があると強調した。

これに対し、中国側代表の趙主任は、公共外交(パブリックディプロマシー)の定義について米国と中国、日本の間には相違があるとしながらも、「中国国民の国際意識の向上を図らなければならない」として、公共外交、民間外交の重要性を強調した。

日中交流に関して、小倉氏は、政治面において「日中は過去のしがらみから解放されることが必要」としながらも、日本側の政治的な発言などに関連して、中国側が時々コミュニケーション断絶を政治的な行為として使うことについて「公共外交のためには慎重に考えなければならない」と強調した。さらに、今後の課題についても「日中間で行うべきことは文化的な共同制作、共同公演、共同研究」と述べた。

一方、趙主任は、中日関係は「中米、中欧関係より複雑」という理由に、米国の存在が中日双方に大きな影響を与えるためだと指摘した。しかし、東日本大震災後の福島第一原発事故後、「日本を支援した。対岸の火事ではなかった」と述べ、事故の教訓を共有し、中日の新しい協力体制を構築しなければならないと述べた。

会議後、趙主任は「民間の立場で、ホンネで話し合うことができた。極めて有意義だった」との印象を述べた。

日中間共同のパブリックディプロマシー(公共外交)に関するワークショップ参加者

日本側:
小倉和夫 青山学院大学特別招聘教授、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会事務総長
王 敏   法政大学教授
宮 一穂  一般財団法人ニッポンドットコム副編集長、京都精華大学教授
原野城治 一般財団法人ニッポンドットコム代表理事
近藤久嗣 一般財団法人ニッポンドットコム理事
高橋郁文 一般財団法人ニッポンドットコム多言語編集部スタッフ

中国側:
趙啓正 中国人民政治協商会議外事委員会主任委員
周秉徳 前中国人民政治協商会議委員
黄星原 中国人民外交学会副会長
畢  剛 中国人民外交学会副幹事長
鄭迺伶 中国人民外交学会理事
邢蘇蘇 中国人民外交学会研究部副主任

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