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次世代のクルマたちが競演 第43回東京モーターショーが開幕
[2013.11.22] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية |

2年に1度のクルマの祭典、第43回「東京モーターショー2013」が11月20日に東京ビッグサイトで開幕した。自動車各社による世界初公開車が多数登場し、最新技術を駆使したエコカーやスポーツカーが勢ぞろいした。

クルマの未来を競う

第43回「東京モーターショー2013」が11月20日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕、21日までメディア向けに公開された。内外の自動車メーカーが最新技術を駆使した試作車が登場し、今後発売を目指す新型車が一堂に展示されるクルマの祭典だ。今回は「世界にまだない未来を競え」をテーマに、世界12か国から自動車関連企業などを含め177の企業・団体が参加。426台が登場している。23日から12月1日まで一般公開される。

今回のモーターショーは、自動車ファンにとって見所満載、話題性にもこと欠かない。まず、次世代エコカーの主役の座を競い合う、燃料電池自動車(FCV)や電気自動車(EV)などが多数出展された。また、大手各社はスポーツカーやスポーツ用多目的車(SUV)などで、若者を意識した新型車を数多く投入し、スポーツカーの復権を印象づけている。

2年前の前回に比べ、ワールドプレミア(世界初公開車)が76台と4割増えたのも見逃せない。国内景気が上向いてきた中で、日本市場に販売攻勢をかけようと意気込む外国メーカーからも世界初公開車が披露されるなど、会場内には熱気が漂う。米国勢やイタリア勢が参加を見送ったが、スウェーデンのボルボが復帰したほか、EVベンチャー企業の米テスラ・モーターズが初出展した。

海外の目が日本に向かい始めたのか

東京モーターショーは「世界の5大モーターショー」の一つに数えられるが、出展社数や入場者数にはこのところ陰りが見られていた。リーマンショック後の世界経済の低迷、東日本大震災、若者のクルマ離れ、中国など新興国市場の台頭などで、日本市場の地盤低下を反映した格好だ。しかし、主催者である日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は、今年のモーターショーを「特別」と力説した。

国内経済が上向き始めたのに加え、2020年の「東京五輪・パラリンピック」開催が決定し、世界の目が再び日本に向かい始めたからだ。訪日外国人観光客数も今年の1月から10月で860万人と昨年実績を既に上回り、政府が目指す今年の目標の1000万人に近づくなど、明るいニュースが続いていることも自動車業界関係者には追い風のようだ。

東京モーターショーに先立ち、10月初めには最先端のエレクトロニクス技術を紹介する「CEATEC JAPAN」が開催された。10月中旬にはITS(高度道路情報システム)技術が集う「ITS世界会議東京」も開かれた。それらを受け継ぐ形で東京モーターショーが開催されたことで、今秋は「日本発のテクノロジー情報が世界を駆け巡る」(豊田自工会会長)格好になった。

燃料電池車と電気自動車が競い合う

トヨタ自動車の「FCVコンセプト」

今回のショーの見所をいくつかご紹介すると——。まず注目されるのは、環境性能を高めたエコカーや個性的な近未来のクルマが続々、出展されたことだ。

トヨタ自動車は〝究極のエコカー″とも言われる燃料電池車の試作車「FCVコンセプト」を世界初出展した。実用性の高いセダンタイプで、小型・軽量化した新型燃料電池や高圧水素タンク2本を床下に配置。フロントから空気を吸いこみ、リアから水のみを排出する。3分間の水素充填で航続距離500㎞が可能という。2015年には市販されるが、水素ステーションの整備が今後どこまで進むかなど課題はある。トヨタと同様、ホンダも同年からのFCVの市販化を目指している。

日産自動車の「ブレイドグライダー」

これに対し、EVに力を入れる日産自動車は、次世代EVのコンセプトカー「ブレイドグライダー」を世界初公開した。「グライダーを操縦するような感覚で走りたい」という全く新しい発想で生まれた。プレス・ブリーフィングではカルロス・ゴーン社長が走って楽しいEVの魅力をアピールした。フロントの車幅1000mm、リア1890mmと極端なスタイルで、運転席を車体中央に配置し、後席は2人という3人乗り。日産はこのスタイルで市販化も検討する。

FCV に必要な水素ステーションと同様、EVにも充電設備の普及が不可欠である。FCVとEVが次世代エコカーの主役の座を競い合う形で、今後も話題を提供しそうだ。

トヨタと本田技研工業は、1人乗りのコンセプト車も世界初公開した。トヨタの「FV2」は従来のクルマの常識にとらわれない、体重移動で感覚的に操作できる近未来車だ。ホンダの「UNI-CUB」もバランス制御技術などにより、身体を預けて体重移動するだけで動ける新しいパーソナルモビリティだという。

スポーツカーが復権、多彩な出展

スポーツカーが数多く登場しているのも今回の特徴だ。レクサスがスポーツクーペの試作車「レクサスRC」を世界初公開。同社の3.5リットルのガソリンエンジンと2.5リットルのハイブリッド車(HV)の2種類を展示した。ホンダの次世代スポーツカー「NSXコンセプト」は、直噴V型6気筒エンジンと3つの電気モーターを組み合わせた。前輪を左右別々にモーターで動かす仕組みで、カーブでもあまり減速せずに曲がれるという。

レクサスの「レクサスRC」

ホンダの「NSXコンセプト」

日産の「GT-R」

日産もスポーツカー「GT-R」の特別仕様車「GT-R ニスモ」を初披露した。海外勢では独BMWが中型クーペの試作車「コンセプトM4クーペ」を投入、屋根に炭素繊維樹脂を使い、車体を軽量化した。メルセデス・ベンツは、2ドア・クーペの試作車「コンセプトSクラスクーペ」を公開した。

「軽」も進化、スポーツ仕様も登場

メーカー各社からは個性的なエコカーのほか、進化した軽自動車も相次ぎ登場している。エコカーでは、三菱自動車が世界初披露した3台の次世代型の大型SUV(スポーツ用多目的車)のコンセプトカーが目を引いた。その一つ「コンセプトGC-PHEV」は外部からの充電も可能な高出力のプラグインハイブリッド車(PHV)で、ガソリンエンジン車の長距離航続性能を残しながら電気自動車により近いクルマだ。

三菱自動車の「コンセプトGC-PHEV」

ダイハツ工業の「コペン」

国内販売の4割を占める軽自動車では、スポーツ仕様やデザインを重視するなど魅力を増した多彩な新型の「軽」が目につく。スズキの試作車「クロスハイカー」は排気量1リットルの小型HVだが、重量は810㎏と軽自動車並みだ。減速時にはタイヤの回転で発電するシステムなどを採用し、燃費性能を向上させた。ダイハツ工業は軽自動車のスポーツカー「コペン」を今回の目玉として披露。車体の色などを購入後も気軽に変えられるなど、若者にもアピールする工夫を施した。

このほか、富士重工業は今回、新型スポーツツアラー「レブォーグ」のほか2台のワールドプレミアを含む6台を参考出展した。マツダのブースでは、新型アクセラのハイブリッドモデルを含め新世代商品を紹介。圧縮天然ガス(CNG)でも走行できるCNGコンセプトなども参考出展した。

取材・文=原田 和義(一般財団法人ニッポンドットコム・シニアエディター)
写真=コデラケイ

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