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ハムダッラー・パレスチナ新首相と会見―笹川日本財団会長

政治・外交

2013年6月6日に発足したばかりのパレスチナ自治政府のハムダッラー首相が11日、日本財団の笹川陽平会長と会談。日本の支援に対する感謝と今後の協力への期待を語った。

日本人との会談は就任後初

和平交渉が難航しているパレスチナ問題だが、6月6日にパレスチナ自治政府の新首相に任命されたばかりのラーミー・ハムダッラー首相は同11日(現地時間)、パレスチナを訪問中の笹川陽平日本財団会長と会談した。首相就任後、日本人が同首相を表敬訪問し、会談したのは初めて。

同首相は会談の中で、パレスチナの現状について「自治政府と(アッバース大統領の)大統領府とは良好な関係にある」と述べるとともに、和平プロセスについて「われわれは、“二国家構想”(two-state-vision)を信じており、(イスラエルからの)入植はこの構想を破壊する行為である。パレスチナにとってエルサレムを首都とすることと、すべての政治犯の釈放が重要である」と強調した。

また同首相は、1993年からの累計で約12億ドルに上る日本政府からの支援に対する感謝を述べた上で、今後の協力関係について「高等教育、訓練をはじめとする教育分野における協力を期待している。パレスチナは資源がなく、人材への投資しか発展するすべがない」と、教育・学術交流などの推進への期待を表明した。

一方、笹川氏がイスラム原理主義組織ハマスとの協議について「関係をどうとらえているのか」と聞いたのに対し、同首相は「ガザ地区は我が国の一部である。その立場を(日本も)支持してほしい。年内に統一選挙の実施を希望する。8月にカイロですべての関係者が参加する決定的な会議があるので、この会議で協議が進展すること望む。選挙は人々の権利を表出する重要な機会である。ハマスにも選挙に反対する理由はないはずである。選挙も和解の道の一つである」と述べた。

写真提供=日本財団

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