シリーズ 日中の架け橋
日中を結ぶビジネスの推進役・国際ツアーコンサルタント周文さん
[2014.05.19] 他の言語で読む : 简体字 | 繁體字 |

日中ビジネスの最前線で活躍するツアーコンサルタントの周文さん。自身の在日体験と、来日約20年の視点から見た両国のビジネス展望について聞いた。

周文

周文ZHOU Wen1968年、中国湖南生まれ。中国西北大学経済管理学院卒。1997年来日後、名古屋大学大学院にて経済研究科修士課程を学び、2001年に経済学修士を取得。中国旅行を専門に手がける旅行会社での勤務を経て、2003年、株式会社平和ITCを設立。同社代表取締役であるとともに、国際ツアーコンサルタントとしても活躍。また旅行関連だけでなく、各方面から日中間のビジネス進出に関する相談を受けることが多く、数々の成功を収めている。

日中両国でビジネスを展開するビジネスマン

「日本を訪れる中国人観光客の中には結構、リピーターが多いですよ。(中国には)反日もありますが、美しくあっさりして健康にもいい日本料理、きめ細かな『お・も・て・な・し』の心については、中国人も評価しています」。こう語るのは日本と中国で観光、飲食、コンサルタントなどの事業を数多く展開する日本在住の中国人ビジネスマン、周文さんだ。取材で訪れた東京・西新宿のビルにあるオフィスでは、周さんが先頭に立て、日本人スタッフとともに、日中を結ぶビジネスを精力的に進めていた。

周さんは中国の湖南省生まれ。技術者だった父親の仕事の関係で4歳の時に西安市に移り住み、名門、西北大学経済管理学院旅遊経済管理学部を卒業。地元の大手旅行会社に入り、英語ガイドなどを務めていたが、日本語を学んでいた姉の影響で日本留学を決意する。28歳の時に来日し、名古屋大学の大学院で経済学修士を取得。その後、中国専門の旅行会社で3年ほど勤めた後、2003年、観光コンサルタント会社「平和ITC」を設立し、代表取締役に就任した。家族は中国人の妻と子供2人の4人家族。子供達は日本の小学校に通っているため、日本語よりも中国語の強化が目下の課題という。

交流の大切さを痛感

「日本に来たばかりの時は、日本語が一言も話せず、本当に困りました。しかし、そんな時、近所のおじさんやおばさんがお菓子を持って来て励ましてくれて、日本人の優しさに触れました。中国人も、日本人も、やはり、お互いが相手のところに行って、初めてそれ(お互いのいいところ)がわかるのです」

周さんは、これこそが観光事業のひとつの意義だと考え、「センセーショナルに走って反中や反日を煽る一部メディアのやり方に疑問を感じざるを得ない」と語る。

日中ともにまだまだビジネスチャンスあり

周さんが現在、最も力を入れているのは北京の三里屯(大使館街として国際色豊かな町並みと、近年はバーストリートや外国ブランド店が軒を連ねる北京を代表する地域の一つ)で3年前にオープンした日本の居酒屋チェーン「八剣伝」の店舗運営だ。周さんがオーナーとして、店長は現地在住の日本人が就任しているそうだ。

おいしい日本料理ときめ細かな日本式サービスが好評で、客足が絶えず、顧客の9割が、何と、中国の若者だという。居酒屋は高級日本料理店と違って庶民向けの店舗。周さんは「こうした店には、中国での発展余地がまだまだある」と指摘し、「今年はさらに2店舗の出店を考えている」と語った。

また、本業の観光事業は、中国での反日デモなどで一時、停滞していたが、中国からの観光客が戻り始め、今年の第1・四半期は前年同期比で約20%も増えたという。

周さんの仕事は、ますます忙しくなりそうだ。

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  • [2014.05.19]
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