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五島のトラさん(2016年8月)
[2016.08.05]

長崎県五島列島の中通島でうどんの製麺所を営む9人家族の22年間を追ったドキュメンタリー。2015年FNSドキュメンタリー映画大賞グランプリ、2016年上海テレビ祭ドキュメンタリー部門最高賞を受賞した。

作品情報

©テレビ長崎

監督=大浦 勝
撮影=井上 康裕、他
ナレーション=松平 健
製作年=2016年
製作国=日本
製作・配給=KTNテレビ長崎
上映時間=114分
公開日=8月6日(土)より東京・ポレポレ東中野にてロードショー ほか全国順次公開(2016年6月に長崎県内で先行公開)
2015年 FNSドキュメンタリー映画大賞グランプリ受賞
2016年 上海テレビ祭ドキュメンタリー部門最高賞(マグノリア賞)受賞
公式サイト=http://www.ktn.co.jp/torasan/

見どころ

「日本三大うどん」と言えば、讃岐、稲庭は動かぬところとして、三番目については意見が分かれる。その候補に必ず挙がるのが「五島うどん」。長崎の西にある五島列島で作られるツルツル、シコシコの丸細麺である。

その五島うどんを家族で手作りしているのが虎屋で、このドキュメンタリーの舞台である。虎屋は一家の主、犬塚虎夫が32歳のときに自力で興した製麺所だ。「虎さん」は23歳で結婚した同い年の益代との間に15年間で7人の子を授かった。その7人全員が平日は毎朝5時起きでうどん作りを手伝うのである。

撮影が始まったのは虎さん40歳のときで、高校3年生の長男はすでに熟練した職人の風情を漂わせ、末っ子の2歳児も見よう見まねで長く伸ばしたうどん生地を手繰り寄せている。その間の5人もみな、各自の工程を手際よくこなし、やがて袋詰めされたうどんが商品となって出荷されていく。

ここまで聞いて、「子どもを安価な労働力として使役し、自由を奪っているのでは」などと思うなら、虎さんの主張を聞いてみてほしい。カメラが追った22年の間に、子どもたちがどう育ち、大人になっていったかを見れば、虎さんの思いが通じたのがわかるはずだ。

日本の父親たちの多くは、外で働いて生活費を稼ぎ、子どもの教育を妻と学校にまかせている。そのうち、自分が子に教えることなんてあまりない、と思うようになる。父が社会で日々学ぶあれこれは、ほとんど子どもの役に立たないし、関心も引かないからだ。

しかし虎さんは、愛する五島の自然の中で暮らし、働きながら我が子とできるだけ長く接し、その時間を通して子どもたちを教育する方法を考え出した。

もちろん子の方からしたら、うるさく思うことだってある。大きくなればなるほど、反発は強くなっていく。しかしずっと後になって知るのだ。少なくとも、人生でこれほどまで自分に向かい合ってくれたのは、あの父をおいて誰一人としていなかったのだ、ということを。(編集部)

予告編

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バナー写真 ©テレビ長崎

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