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アベノミクス1年―2013年の経済指標、軒並み好転
[2014.02.14] 他の言語で読む : ENGLISH | ESPAÑOL | Русский |

第2次安倍内閣は2012年12月26日に発足、経済政策「アベノミクス」を推進した結果、1年間で国内の経済指標が軒並み好転した。2013年1年間の主な経済指標を検証し、今後の課題を探る。

見え始めた「経済の好循環」への兆し

2013年12月時点の主要な経済統計を見ると、景気に対する企業や消費者心理は過去1年間に好転し、生産や個人消費、雇用・賃金、株価などの経済指標が軒並み改善傾向を示した。四半期ごとに発表される日銀短観(全国企業短期経済観測調査)も、大企業・製造業などの業況判断が好転し、大企業を中心に賃上げの動きも広がり始めた。

一連の経済指標からは、企業収益が改善に向かい、賃金上昇・雇用拡大が起こり、家計消費の増大や景気上昇をもたらす「経済の好循環」の兆しが見え始めたことがうかがえる。第186通常国会で施政方針演説(2014年1月24日)を行った安倍晋三首相は、「経済の好循環なくしてデフレ脱却はない」と述べ、4月からの消費税率引き上げ(5%→8%)に万全の対策で臨むとともに、引き続き景気回復を最優先課題として取り組む姿勢を強調した。

「円高・株安」の動きが不安材料に

しかし、不安材料もいくつかある。2014年の年明け以降、アルゼンチン通貨ペソの急落を機に新興国経済の先行き不透明感が広がり、外為市場や株式市場が「円高・株安」に大きくゆり戻されている。過去1年間の円安効果が減殺され、このまま新興国経済の低迷が長引けば、日本からの輸出がさらに落ち込むのではないかとの懸念もある。また、4月からの消費税引き上げ以降、個人消費にどの程度の影響が出るのかについても注意が必要だ。

日本経済がデフレから脱却し「経済の好循環」が定着するには、アベノミクスの「三本の矢」のうち、とりわけ3本目の矢である成長戦略が着実に実行されることが不可欠である。また、今後の為替・株価の動向や企業業績の改善が持続するかどうか、さらに新興国経済の先行きや、市場に大きな影響をもたらす米国の金融政策がどう変化するか――なども重要な要素となる。

【主な経済指標の変化 ~2012年末と2013年末の比較~】

分野 指標など 2012年12月 2013年12月
市場動向 日経平均 12月28日、10395円18銭(終値) 12月30日、16291円31銭まで上昇し、6年ぶりの高値記録
円ドル相場 年末にかけて1ドル=85円台(平均)で推移 12月30日、105円台の円安へ
雇用 完全失業率 4.3% 3.7%
(11月の4.0%から大幅に改善)
有効求人倍率 0.83倍 1.03倍
(前月比0.03ポイント上昇)
生産活動 鉱工業生産指数
(※2010年=100)
94.7 100.3(前月比1.1%上昇)
家計・ 消費 小売業販売額 13兆980億円 13兆5030億円
(前年同月比2.6%増)
消費者物価指数
(※全国、生鮮食料品を除く総合指数)
99.4 100.6
(前年同月比1.3%上昇)
政府の景況判断 月例経済報告 12月の報告では「世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きをみせている」とした。 12月の報告では、景気の現状を説明する文言から「デフレ」の文字を削除。
なお、2014年1月の報告では、「緩やかに回復しつつある」から「緩やかに回復している」とし、4カ月ぶりに上方修正。

(タイトル写真=2013年12月30日、東京証券取引所で大納会の式典に出席した安倍首相。 東洋経済/アフロ提供)

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