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動き出すか日韓関係
最近の日韓関係の主な出来事と首脳発言
[2014.03.26] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 |

2014年3月25日、日米韓3カ国首脳会談が行われた。オバマ米大統領の呼びかけによるもので、安倍晋三首相と朴槿恵大統領にとって就任以来、初めての正式会談となった。冷え込んだ日韓関係はこれを機に雪解けを迎えるのか。日韓に関する最近の動きを振り返る。

日韓首脳、1年10ヵ月ぶりに会談

日米韓首脳会談が2014年3月25日、オランダのハーグで開催された核安全保障サミットの場で、2008年11月以来、5年4カ月ぶりに実現した。オバマ米大統領の呼びかけによるもので、安倍晋三首相、朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領が北朝鮮問題や核不拡散問題を主要議題に会談した。

日韓首脳が会談するのは、2012年5月に野田佳彦前首相と李明博(イ・ミョンバク)前大統領が北京で首脳会談を行って以来1年10カ月ぶり。安倍首相と朴大統領が会談するのはともに政権発足後、初めてだった。ただし、安倍・朴両首脳だけの本格的な日韓首脳会談は「時期尚早」として見送られた。安倍首相との単独会談を避けた朴大統領は、同じサミットの場で中国の習近平主席との中韓首脳会談を行った。

竹島上陸、靖国参拝で関係さらに悪化

日韓関係については、2012年8月に李前大統領が竹島(韓国名・独島)に上陸して以降、関係が急速に悪化。朴政権発足(2013年2月)後も、韓国側は歴史認識問題と従軍慰安婦問題をめぐって対日強硬姿勢をとってきた。特に、安倍首相が2013年12月26日に靖国神社を参拝した後、日韓関係は極めて悪化していた。

こうした状況の中で、米国は北朝鮮情勢や対中関係をにらみ、日米韓3カ国の協力が「東アジアの平和と安定に不可欠」であり「米国の国益」だとして、日韓関係改善への仲介に乗り出した。2014年3月7日には、オバマ大統領が安倍首相との電話会談の際に、日米韓首脳会談実現へ向けた要請を行った。

安倍首相は3月12日に、外務省の斎木昭隆事務次官を韓国に派遣し、首脳会談実現へ向けた調整を行った。これを受け、安倍首相は3月14日の参院予算委員会で、懸案となっていた従軍慰安婦に関する河野談話の検証問題について「見直すことは考えていない」と答弁。朴大統領も「幸いだ」との声明を発表、これが日米韓3カ国の首脳会談実現へのきっかけとなった。

日韓関係改善へ一歩と期待感

しかし、今回の3カ国会談では、北朝鮮の核・ミサイル問題などが話し合われたものの、日韓間の歴史認識問題や従軍慰安婦問題は議題としなかった。このため、これらの問題や竹島をめぐる韓国側の対日不信感は消えておらず、安倍政権の韓国に対するわだかまりも残ったままだ。今回の会談が日韓関係改善に向けた一歩になることが、両国のみならず関係国からも期待されている。

最近の日韓関係の主な出来事と首脳発言

時期 主な出来事や首脳発言 関係当事国の反応や動き
1998年10月 小渕恵三首相と金対中大統領が共同で「日韓パートナーシップ宣言」を発表 共同宣言を受けて政治・経済・文化など各分野での行動計画を通じ、「未来志向」の日韓関係構築に両国が意欲を示す。日韓の文化交流が広がる。
2002年5~6月 サッカー・ワールドカップを日韓が共同開催  
2003年2月 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権発足(~2008年2月)。韓国ドラマ『冬のソナタ』を皮切りに、日本で韓流ドラマブーム 盧武鉉大統領は就任当初、歴代の大統領と同様に「未来志向」を表明。小泉純一郎首相との間で「シャトル首脳会談」の推進で合意。その後、日韓の外交問題(日本海呼称問題、竹島問題、靖国神社参拝問題、歴史教科書問題)などを抱え、対日強硬姿勢に転じる。
2006年10月 安倍晋三首相(第一次安倍内閣時)と盧武鉉大統領が日韓首脳会談 盧武鉉大統領は、北朝鮮による地下核実験があったにもかかわらず、会談時間の半分近くを歴史認識問題に割く。日韓両国の溝は埋まらず、共同文書の発表は見送り。
2008年2月 李明博(イ・ミョンバク)政権発足(~2013年2月) 李明博大統領は在任中、しばしば「日本はドイツを見習い謝罪すべき」という趣旨の発言。任期が終盤になる頃から、日本の歴史認識問題で対日態度を硬化させる。
2011年8月 1965年日韓請求権協定の範囲をめぐり、韓国憲法裁判所が判決 日本政府は「すべての問題は解決済み」と主張。韓国政府は「従軍慰安婦問題などはその範囲に含まれない」と反論。
2011年12月 韓国市民団体がソウルの日本大使館前に「従軍慰安婦記念碑」の少女像を建立 日本政府の抗議に対し、韓国政府はこれを黙殺。
2011年12月 野田佳彦首相と李大統領が京都で日韓首脳会談 首脳会談で、野田首相が記念碑の撤去を要請。李大統領は、従軍慰安婦問題に対する日本側の積極的な対応を求め、会談の雰囲気は険悪に。
2012年5月 野田首相と李大統領が北京で日韓首脳会談。
韓国最高裁が「日本企業には韓国人戦時徴用者への未払い賃金に対する賠償責任がある」との判決を下す
韓国最高裁判決について日本政府は、1965年の日韓国交正常化の際に結んだ「日韓請求権協定」が、両国民間の財産・請求権について「完全かつ最終的に解決された」と明記しているため、「被告企業が判決に応じれば協定が骨抜きになる」との見解。
2012年8月 李大統領、歴代大統領として初めて竹島(韓国名:独島)に上陸。
李大統領が天皇陛下の訪韓をめぐり「心から謝罪」することが条件と発言
竹島問題について、日本政府は「国際司法裁判所への提訴を韓国政府に提案する」と発表。
2013年2月 朴槿恵(パク・クネ)政権発足。韓国初の女性大統領誕生  
2013年3月 朴大統領が「(日本と韓国の)加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わることはない」と発言  
2013年5月~6月 朴大統領が就任後初めて訪米し、米韓首脳会談(5月)。6月には訪中し、習近平主席と中韓首脳会談 オバマ大統領は北朝鮮問題に関して日米韓の連携の重要性を強調。
朴大統領は中国やロシアの役割に期待感を表明したが、日本を連携国としては言及せず、「北東アジアの平和のためには正しい歴史認識を持たねばならない」と批判。
2013年9月 朴大統領、日韓首脳会談について「首脳会談をしても得るものはない」「日本の一部指導者は謝罪する気もなく、元慰安婦を侮辱し続けている」と発言(米ヘーゲル国防長官との会談にて)  
2013年12月 安倍晋三首相が就任後初の靖国神社参拝 安倍首相の靖国参拝に韓国政府やマスコミが反発。朴大統領は声明を発表せず。
朴大統領は年末に、大統領府の幹部会議で「新年は過去の歴史の傷をえぐり、国家間の信頼を壊して国民感情を悪化させる行動がなくなることを願う」と日本を念頭に発言。
2014年1月 伊藤博文を暗殺した安重根の銅像が中国黒龍江省のハルビン駅に完成。(2013年6月の中韓首脳会談で、朴大統領が習主席に建立を要請) 日本政府は、中韓両国の動きに不快感を表明。中国政府は「安重根義士は著名な抗日義士で、中国人民の尊敬を受けている。 中国が国内法により記念物を設置したのは完全に正当で、合理的であり、日本のすべての抗議を受け入れることはできない」と反論。
2014年3月 安倍首相が「歴史認識、慰安婦問題についての思いは、私も歴代総理と変わらない。これらの問題については河野(官房長官=当時)談話があるが、安倍内閣でそれを見直すことは考えていない」との見解表明(14日の参院予算委員会答弁) 安倍発言を受けて、朴大統領が「安倍首相が河野談話を継承するという立場を発表したことを幸いに思う」との声明発表。
2014年3月 オランダ・ハーグの核安全保障サミット(24~25日)を機に、日米韓3カ国首脳会談を開催。日韓首脳の公式会談は2012年5月以来  

バナー写真提供=ロイター/アフロ

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