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日本サッカー発展に貢献したブラジル人
[2014.04.14] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | ESPAÑOL | العربية |

サッカー大国・ブラジルの選手たちは、1960年代から日本のチームでプレー。まだまだ世界から遅れていた技術の向上、競技の発展に大きな役割を果たした。日本サッカーに歴史を刻んだ主なプレーヤーを紹介する。

日本にはない技術の高さ

ブラジル人選手の第1号は1967年に19歳で来日し、ヤンマー(現・セレッソ大阪)でプレーしたネルソン吉村大志郎。ヤンマーには日本が誇る世界レベルのストライカー、釜本邦茂も同年加入し、同チームは2人の活躍で日本のトップチームとなった。

吉村はブラジルでは日系人チームでプレー。母国では無名の存在だったが、それでも当時の日本の選手にはない技術の高さを持っていた。70年に日本国籍を取得すると代表入りし(76年まで)、その後の日本サッカーが個人技重視のブラジルサッカーに傾倒していくきっかけをつくった。ヤンマーには69年にカルロス・エステベス、71年にはジョージ小林が加入し、それぞれ活躍した。

ブラジルでプロ経験のある選手として、初めて日本でプレーした選手はセルジオ越後。1972年から3年間、藤和不動産に所属した。アマチュア組織だったJSL(日本サッカーリーグ)への「元プロ選手」加入は、当時大きな話題に。引退後はコカ・コーラの支援を受けて全国各地を回る少年少女向けのサッカー教室開催に長年取り組み、競技の普及に貢献した。

77年に来日したラモス瑠偉(現・FC岐阜監督)は98年まで読売クラブ、ヴェルディ川崎などでプレー。89年に日本国籍を取得し、90年代前半には日本代表の中心選手として活躍した。

Jリーグに大物選手登場

日本サッカー協会は1993年Jリーグを発足させ、98年までに18のプロチームが誕生。ブームがわき起こり、これまで国内では比較的マイナーだったサッカーの地位が一気に向上した。この人気を後押ししたのは、相次ぐ世界的な大物プレーヤーの招聘(しょうへい)。ブラジルからはリーグ発足に先立つ91年、ジーコが住友金属(現・鹿島アントラーズ)と契約して来日した。

ジーコは94年まで鹿島でプレー。そのトップレベルの技術、サッカーに対する真剣な取り組みは日本のファンに強い印象を残した。2002年には日本代表監督に就任し、2006年W杯ドイツ大会を指揮した。

このほかJリーグ発足初期にはカレカ(柏レイソル、1993-96)、ドゥンガ(ジュビロ磐田、1995-98)といったスター選手も日本でプレー。1994年W杯アメリカ大会で優勝したブラジル代表22人のうち、ジョルジーニョ(鹿島)やベベット(同)、ミューレル(柏)など実に8人がJリーグのピッチに立った。ジーコとともにゴールを量産したアルシンド(鹿島)、1995年のスーパーゴールが今もファンの語り草となっているレオナルド(同)、日本語が達者で鉄壁の守備を誇ったゴールキーパー、シジマール(清水)などが人気を集めた。

日本でテレビCMにも出演し、人気選手となったアルシンド(中央)=1993年(時事)

日本代表としてW杯に出場

川崎フロンターレでプレーするフッキ=2005年(時事)

日本代表は1998年フランス大会でワールドカップ(W杯)に初出場。2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会ではベスト16入りするなど、世界の舞台でも存在感を増してきた。

ブラジル出身者では呂比須ワグナー(現・ブラジル1部リーグのクリシウマ監督)が1997年に日本国籍を取得し、フランス大会で日本代表としてプレー。三都主アレサンドロ(FC岐阜)は2002年、06年のW杯で活躍した。田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス)は2010年W杯で、守備の大黒柱として全4試合にフル出場。決勝トーナメント進出に大きく貢献した。

日本のJリーグでプレーし、その後ブラジル代表に選ばれるまでに大成した選手も。2005年に来日し、川崎や札幌などでプレーしたフッキは2008年に移籍したFCポルトで活躍。09年に代表入りし、2014年W杯メンバーにも選ばれた。

Jリーグでは、2014年シーズンも多くのブラジル人選手がプレー。指導者でもネルシーニョ(柏)、トニーニョ・セレーゾ(鹿島)の2人がJ1クラブで指揮をとっている。

日本で活躍した主なブラジル代表選手

名前 ポジション 出場W杯 日本での在籍
ペペ FW 1958 1962 1992 読売(監督)
エメルソン・レオン GK 1970 1974 1978 1986  1992~1994 清水(監督)
1995~1996 V川崎(監督)
2005           神戸(監督)
オスカー DF 1978 1982 1986  1987~1989 日産
ジーコ MF 1978 1982 1986 1991~1994 住友金属/鹿島
1999 鹿島(監督代行)
2002〜2006 日本代表(監督)
トニーニョ・セレーゾ MF 1978 1982 2000~2005 鹿島(監督)
2013~ 鹿島(監督)
ファルカン MF 1982 1986 1994 日本代表(監督)
シーラス MF 1986 1990 1998~1999 京都
カレカ FW 1986 1990 1993~1996 柏
ミューレル FW 1986 1990 1994 1995 柏
ドゥンガ MF 1990 1994 1998 1995~1998 磐田
ジョルジーニョ DF 1990 1994 1995~1998 鹿島
2012 鹿島(監督)
モーゼル DF 1990 1995~1996 鹿島
ビスマルク MF 1990 1993~1996 V川崎
1997~2001 鹿島
2003 神戸
チッタ MF 1990 2001 浦和(監督)
ベベット FW 1990 1994 1998 2000 鹿島
ジルマール GK 1994 1995~1997 C大阪
ロナウダン DF 1994 1994~1995 清水
ジーニョ MF 1994 1995~1999 横浜フ
レオナルド MF DF 1994 1998 1994~1996 鹿島
セザール・サンパイオ MF 1998 1995~1998 横浜フ
2002 柏
2003~2004 広島
エジムンド MF 1998 2001~2003 東京V
2003 浦和
フッキ FW 2014 2005 川崎F
2006 札幌
2007 東京V
2008 川崎F、東京V

nippon.com編集部調べ

バナー写真提供=時事

  • [2014.04.14]
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