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交通事故死、過去最少の3532人:予防安全技術の普及も奏功

社会

交通事故による死者は最少を更新。ただ、政府が目標とする「20年に2500人以下」には、さらなる対策が必要。

2018年の交通事故による死亡者の数は前年比162人減の3532人で、統計が残る1948年以来、過去最少となった。人口10万人あたりの死亡者数も2.79人と過去最少。10万人あたりの死亡者数が最も多かった1970年(16.33人)の約6分の1まで減少した。

交通事故による死亡者数は、1950年代から60年代にかけて自動車の普及とともに急増。「交通戦争」とまで呼ばれるほどだった。1970年に最多の1万6765人を記録。その後、歩行者を守るためのガードレールの設置、交通違反の厳罰化などで減少に転じた。

交通事故発生件数は自動車保有台数の増加とともに増え続け、2004年には95万2720件を記録した。一方、1985年に高速道路などで、92年には一般道で運転席・助手席のシートベルト着用が義務化されたほか、1990年代半ば頃からエアバッグの普及が急速に進むなど安全対策が進み、事故数と反比例するように死亡者数は減少。また、最近は衝突軽減ブレーキ、車線はみ出し警報などの予防安全技術の搭載が進んでいることも奏功しているとみられる。

65歳以上の高齢者の死者数は前年より54人減の1966人となったが、死者全体に占める割合は55.7%と前年より1ポイント増加した。政府は、20年までに年間の交通事故死者数を2500人以下とする目標を掲げており、今後は、高齢者を事故から守る対策が一段と求められることになる。

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