Japan Timeline

Timeline for April 2015

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天皇皇后両陛下のパラオ訪問、日中首脳会談の開催、安倍首相の訪米など、2015年4月の日本の出来事を振り返る。

1

第87回選抜高校野球大会の決勝が阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われ、敦賀気比高校(福井県)が東海大学付属第四高校(北海道)を3―1で破り、6回目の出場で初優勝を果たした。北陸勢としては春夏を通じて初の全国制覇。

性的少数者の人権尊重を目的に、同性のカップルに「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する全国初の条例が東京都渋谷区で施行。証明書の発行は数カ月後になる見通し。

3

政府が「残業代ゼロ」制度を盛り込んだ労働基準法改正案を閣議決定。今国会で成立させ、2016年4月施行を目指す。同制度は、研究開発や為替ディーラー、ファンドマネジャーなどの専門職に就く年収1075万円以上の人が対象。対象者は労働基準法の労働時間規制(1日8時間、週40時間など)から除外され、深夜労働、休日労働への手当がなくなる。

8

成田空港に格安航空会社(LCC)専用の「第3旅客ターミナルビル」が開業。延べ床面積6万6000平方メートル、旅客取り扱い能力は年間750万人で、当初の年間旅客数は550万人を見込む。新ターミナルビルの開業は1992年12月の第2旅客ターミナルビル以来22年ぶり。

8-9

戦後70年にあたり、天皇、皇后両陛下が戦没者慰霊のためパラオ共和国を訪問。かつての激戦地ペリリュー島に日本政府が建立した「西太平洋戦没者の碑」などを訪れた。パラオは終戦まで約30年にわたり日本が統治。ペリリュー島では旧日本軍の守備隊約1万人が全滅した。

戦没者の慰霊のため「西太平洋戦没者の碑」を訪問し、慰霊碑に一礼される天皇、皇后両陛下=2015年4月9日、パラオ・ペリリュー島(代表撮影、時事)

10

日経平均株価が2000年4月17日以来、約15年ぶりに一時2万円台を回復。前日の欧米市場での株価の値上がりや円安などを背景にした国内企業の業績回復への期待感から、買い注文が膨らんだ。

12

10道県知事選と41道府県議選、5政令市長選、17政令市議選が行われた統一地方選前半戦が投開票。道県知事選では与党が支援した現職が全員再選を果たした。投票率の平均は道県知事選が47.14%、道府県議選が45.05%など、いずれも過去最低となった。

14

福井県などの住民9人が関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、福井地裁(樋口英明裁判長)が住民らの訴えを認め、運転を禁じる仮処分決定を出した。仮処分の手続きで原発の運転差し止めが認められたのは初。関西電力は17日、福井地裁の仮処分決定を不服として取り消しを求める異議を申し立て、再稼働禁止の執行停止も請求した。

韓国・ソウル(仁川)発広島行きのアシアナ航空162便(エアバスA320、乗客・乗員計81人)が、広島空港(広島県三原市)の着陸に失敗。27人が負傷した。着陸当時、霧が発生して急な視界の悪化があったといい、航空当局が事故の原因を調べている。

15

中国が主導して設立予定の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー57カ国が決定。日本と米国は公正な組織運営への不安などを理由に参加を見送る見通し。

16

米タイム誌が「世界で最も影響力のある100人」を発表し、日本人では作家の村上春樹さんと、「片づけコンサルタント」として活動する近藤麻理恵さんが選ばれた。近藤さんの著書「人生がときめく片づけの魔法」は米国で67万部超のベストセラーになったほか、イタリアやフランスでも出版され、世界でシリーズ累計300万部の人気になっている。

17

安倍晋三首相が、翁長雄志(おなが・たけし)沖縄県知事と首相官邸で初会談。政府と沖縄県が対立する米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について意見を交わした。協力を求めた安倍首相に対し、翁長氏が移設作業の中止を訴え、会談は平行線に終わった。

19-21

環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる日米閣僚会談が東京都内で開かれ、甘利明経済財政・再生相と米通商代表部のフロマン代表が協議。米国産のコメの輸入拡大や日本車部品の関税撤廃期間などの課題で溝が埋まらず、合意は先送りされた。

21

東海旅客鉄道(JR東海)が山梨リニア実験線(山梨県笛吹市―上野原市)で超電導リニア車両の有人走行試験を実施し、鉄道としては世界最高速となる時速603キロを記録。10.8秒間、約1.8キロの距離で時速600キロを維持した。リニア中央新幹線は2014年度から建設が本格的に始まり、2027年の開業後は東京・品川―名古屋間の286キロメートルを最速40分で結ぶ。

リニアの高速試験で、世界最高速度の時速603キロを記録して実験センターに到着した「L0系」=2015年4月21日、山梨県都留市(時事)

22

アジア・アフリカ会議60周年首脳会議出席のためジャカルタを訪問中の安倍晋三首相が中国の習近平国家主席と5カ月ぶりに会談。歴史認識問題について「歴史を直視してこそ相互理解が進む」と述べた習氏に対し、安倍首相は「村山談話、小泉談話を含む歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」と述べ、理解を求めた。

東京・永田町の首相官邸で、小型の無人飛行機(ドローン)が屋上に落下しているのを職員が発見。24日に福井県に住む40歳の無職男性が地元の警察に出頭し、25日に威力業務妨害の疑いで逮捕された。ドローンからは放射性物質が検出され、男は「反原発を訴えるために飛ばした」と供述しているという。

小型無人機「ドローン」が落下した首相官邸の屋上でブルーシートを広げる捜査員ら=2015年4月22日、東京・永田町

27

日米両政府は外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をニューヨークで開き、日米防衛協力の指針(ガイドライン)を1997年以来18年ぶりに改定することで合意。自衛隊の米軍への後方支援は地理的制約を取り払い、地球規模で実施。また、「存立危機事態」に際しては、日本が攻撃されていなくても自衛隊が集団的自衛権に基づき武力行使を行う姿勢を打ち出した。

28

安倍首相が米ホワイトハウスでオバマ大統領と会談。27日に合意した日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定の意義を強調するともに、安全保障と経済の両面で同盟強化進展を確認する共同声明を発表した。

28

経済産業省は2030年の電源構成(エネルギーミックス)目標について、原子力を20~22%、再生可能エネルギーを22~24%とする素案を同省の有識者会議に提示した。原発を再稼働し、引き続き主要な電源とする安倍政権の姿勢が鮮明になった。 

29(日本時間30日)

安倍首相が米議会の上下両院合同会議で演説。戦後70年の節目に「戦後の日本は先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」と表明した。集団的自衛権の行使容認を含む安保法制整備については、関連法案の成立を「この夏までに必ず実現する」と述べた。

安倍晋三 TPP AIIB