Japan Timeline

Timeline for May 2015

社会

安保法制の国会審議入り、「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録勧告、大阪都構想をめぐる住民投票否決など、2015年5月の日本の出来事を振り返る。

2

日本の外務大臣として初めてキューバを訪問した岸田文雄外相が、ラウル・カストロ国家評議会議長、兄のフィデル・カストロ前議長と相次いで会談。ラウル氏とは経済分野を中心に両国の関係を強化することで一致した。

4

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が、「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録するよう勧告。構成資産は官営八幡製鉄所(現・新日鉄住金八幡製鉄所、北九州市)、三池炭鉱(福岡県大牟田市、熊本県荒尾市)、三菱長崎造船所(長崎市)、「軍艦島」として知られる端島炭坑(長崎市)など23施設。韓国は、うち7施設で朝鮮半島の出身者による強制労働が行われたとして登録に反対している。

6

気象庁が箱根山(神奈川県)の噴火警戒レベルを2に引き上げ、火口周辺への立ち入りを規制。火山性地震が通常より多発している。箱根は日本有数の保養・観光地で、地元経済への影響も出ている。

8

トヨタ自動車が2015年3月期決算を発表。最終(当期)利益は過去最高の2兆1733億円となり、日本企業で初めて2兆円の大台を突破した。コスト削減に加え、円安と北米市場での販売好調が増益の大きな要因となった。

12(米国時間11日)

米国防総省が、新型輸送機CV22オスプレイ10機を在日米軍横田基地(東京都福生市など)に配備すると発表。2017年後半に3機、21年までに7機を追加配備する。オスプレイは普天間基地(沖縄県宜野湾市)に24機が配備済みだが、沖縄以外では初。

14

政府は、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障法制関連法案を閣議決定。他国軍の後方支援を可能にする新たな恒久法「国際平和支援法案」と、自衛隊法など現行の10本の法律改正で、政府・与党は今国会での成立を目指している。

経営再建中のシャープが2015年3月期決算を発表。最終(当期)損益が2233億円の巨額赤字となり、国内で約3500人の希望退職募集などリストラ策を盛り込んだ経営再建計画(中期経営計画)を合わせて発表した。液晶や太陽電池、テレビの各事業がいずれも不振だった。

17

大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が行われ、反対が賛成をわずかに上回り否決された。同構想の旗振り役だった橋下徹市長は今年12月までの任期は全うするものの、次の市長選挙には立候補せず政界を引退する意向を表明した。維新の党の江田憲司代表は責任をとって辞任。後任に松野頼久氏が就任した。

18

記者会見で現役続行を表明するフィギュアスケート女子の浅田真央=2015年5月18日、東京都港区(時事)

2010年バンクーバー五輪のフィギュアスケート女子シングルで銀メダルを獲得した浅田真央選手が現役続行を発表。14年のソチオリンピックで金メダルを狙いながらも6位に終わった浅田選手は、同年5月に休養を宣言していた。

19

米運輸省は、自動車部品大手タカタがエアバッグの欠陥を認めリコール(回収・無償修理)を全米規模で行うことで合意したと発表。対象は約3400万台で、一度のリコールとしては米国で過去最大規模。

20

国内152の動物園や水族館などで構成する日本動物園水族館協会(JAZA)は会員施設による投票の結果、和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲したイルカの入手中止を決めた。同協会は4月、追い込み漁によるイルカ入手が倫理規定に違反するとして、世界動物園水族館協会(WAZA、本部スイス)から会員資格停止、改善勧告を受けていた。

22

パラオやフィジーなど14カ国の島国とオーストラリア、ニュージーランドが参加する太平洋・島サミットが福島県いわき市で開幕。23日に採択された「福島・いわき宣言」には、防災や気候変動など5分野で日本と南太平洋島嶼国との協力強化が盛り込まれ、安倍晋三首相は今後3年間で550億円以上の援助実施を表明した。

「第7回太平洋・島サミット」参加国の首脳らと記念撮影する安倍晋三首相(前列中央)=2015年5月23日、福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズ(時事)

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安全保障関連法案が国会で審議入り。安倍晋三首相は、集団的自衛権の行使などを可能とする同法案整備の必要性について、「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している」ことが背景にあると答弁。具体的な事例として、北朝鮮の核・ミサイル開発に加え、「中国の台頭および東シナ海・南シナ海における活動」などを挙げた。

27

原子力規制委員会は、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の運転管理方法を定めた保安規定を認可。東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた新規制基準に基づく審査を、全国の原発で初めて終了した。規制委による使用前検査で問題がなければ再稼働できる。九州電力は1号機について、7月下旬の再稼働を目指している。

29

口永良部島の新岳から上がる噴煙=2015年5月29午前、気象庁ホームページより(時事)

鹿児島県・口永良部島の新岳(標高626メートル)で爆発的噴火があり、火砕流が海岸まで到達。気象庁は噴火警戒レベルを5(避難)に引き上げ、地元・屋久島町は口永良部島の全島民に島外避難を指示した。新岳は昨年8月、34年ぶりに噴火。噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられていた。

30

午後8時23分ごろ、小笠原諸島西方沖を震源とする地震があり、東京都小笠原村の母島と神奈川県二宮町で震度5強を観測。北海道から沖縄まで広い範囲で揺れを感じた。気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)が8.1、震源の深さが682キロという異例の巨大地震。津波はなく、人的被害はけが人にとどまったが、東京などの高層ビルでエレベーターが長時間停止するなど混乱もあった。

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