“デコトラ”の田附さんが木村伊兵衛賞を受賞
一般財団法人ジャパンエコー代表理事 原野 城治
[2012.02.22]

nippon.com開設時に掲載し、大人気を博したのが、デコトラとそのドライバーたちを撮り続けたPhotos「アートトラック 極彩色の美学」だった。その写真家・田附勝さんが、このほど写真界の芥川賞といわれる第37回木村伊兵衛賞を受賞した。受賞作は写真集『東北』(リトルモア)で、2006年から5年間東北を取り続けた作品集。編集部として、心より祝福申し上げたい。

東日本大震災で東北の景色は一変したが、その直後にお会いして「アートトラック」の写真集掲載をお願いしたとき、「東北の漁師もいいですよ」と話していたのを思い出す。

将来への漠然とした不安や社会へのいら立ちの中で、人々の間にはリスクを回避し、できれば目立たぬようにという気分が広がっている。そうした表面的で事なかれ主義的な生き方とは違う迫力が田附さんの写真にはある。被写体に迫る迫力というのか、辻褄合わせを嫌うような強さがある。

派手に塗りたくった車体やギラギラした電飾に、自分の存在を投影するデコトラ・ドライバーの心意気が伝わるnippon.comのPhotos「アートトラック 極彩色の美学」は、日本国内はもちろん海外からのアクセスも非常に多かった。

デジタル写真時代にあって、アマチュアが撮影した写真の数は満天の星数に匹敵する。しかし、そうした中に、時間や時代を切りとって人々に感銘を与え続ける写真は物の数しかない。だからこそ、nippon.comは、写真が切りとる「非演出のリアリズム」を大事にして、多くの一流のプロカメラマンの作品を掲載し続けていきたいと考えている。

写真界の新たな鬼才・田附さんの世界を知るために、是非「アートトラック」をご覧いただきたい。

  • [2012.02.22]
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