[ニュース]乗れるか、北斎ブームの波=大英博物館展示に賛否-観光客期待、費用負担も・長野
[2016.12.30] 他の言語で読む : ENGLISH |

江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎がブームだ。生涯の大半を過ごした東京都墨田区に先月、作品や資料約1800点を所蔵する「すみだ北斎美術館」がオープン、テレビでも特集が組まれている。そんな中、晩年に訪れた長野県小布施町にある美術館「北斎館」で、収蔵品を英国の大英博物館に展示しようとの構想が浮上。観光客増に町内の期待は高まるが、多額の費用が掛かるため賛否は割れている。

展示が検討されているのは、北斎が制作に携わった「上町祭屋台」。高さ4.8メートルの天井部に北斎画の特徴の波が描かれ、飾り舞台には北斎監督の下制作されたとされる「水滸伝」登場人物の木彫り人形が設置されている。

来年5~8月に開催する企画展で展示したいと、大英博物館側から打診があった。屋台は有名な石碑「ロゼッタストーン」が展示されている部屋に近いエントランスに、天井絵は展示室に飾られる予定だ。

今年10月には美術品輸送業者や宮大工らが立ち会い調査。解体、組み立て、輸送に耐え得るとのお墨付きを得た。

北斎館理事の市村次夫さん(68)は「大英博物館から里帰りした祭り屋台」で、観光客増が見込めるとにらむ。「小布施で活躍した北斎を国内外に知ってもらういい機会。せっかくの北斎ブームを逃してはいけない」と力を込める。

問題は数千万円掛かる費用だ。理事の市川博之さん(46)は「寄付を募ったり(インターネットで資金を集める)クラウドファンディングを活用したりすれば工面できない金額ではない」とみる。しかし、理事長の平松快典さん(81)は「美術館は全国的に冬の時代。費用回収の見通しがないと懸念する声もある。慎重に考えたい」と熟慮の姿勢だ。

小布施文化観光協会会長の桜井昌季さん(51)は「小布施でも訪日外国人が増える傾向にある。北斎を知り、訪れてもらうきっかけになれば」と期待を膨らませる。北斎館理事会は、年明けにも結論を出す予定だ。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2016.12.30]
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