名護市長選、辺野古移設反対派の稲嶺氏再選

政治・外交

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設受け入れの是非が最大の争点となった沖縄県名護市長選が2014年1月19日投開票され、移設反対派の現職・稲嶺進氏(68)が移設推進派の新人で前自民党県議・末松文信氏(65)を破って再選を果たした。2013年12月27日、仲井真弘多・沖縄県知事が普天間飛行場移転問題で名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認したが、地元住民は移設受け入れに「ノー」を示した。

再選された稲嶺氏は、移設工事に関係する市長権限を使い移設計画を阻止する姿勢を示している。これに対し、菅義偉官房長官は20日、現行の移設計画について「できる限り丁寧に説明し、理解を得ながら淡々と進めていきたい」と述べた。政府は今回の名護市長選で示された民意は尊重しながらも、移設計画については堅持する方針を表明した。

1996年に日米両政府が普天間飛行場の全面返還に合意し、移転先として名護市が浮上して以降、これまで5回の市長選が行われてきた。1~3回までは移設受け入れ容認派が当選したが、4年前、前回の選挙では反対派の稲嶺氏が当選し、今回再選された。稲嶺氏と末松氏の得票数差は4100票余りあるが、移転受け入れの賛否をめぐる地元の民意は二分された形だ。

【名護市長選挙結果】

稲嶺 進  (68) 無現=19,839票
(共産、社民、生活、沖縄社会大衆(=地域政党)推薦)
  末松 文信(65) 無新=15,684票(自民推薦)

*当日有権者数4万6582人。投票率76.71%(前回76.96%)

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