ニュースで振り返る2014年の日本
[2014.12.30] 他の言語で読む : 简体字 | 繁體字 |

「STAP細胞」をめぐる一連の騒動、消費税の8%への引き上げと再引き上げの延期、憲法9条の解釈変更、御岳山噴火の火山災害、そして再度の師走総選挙——ニュースで2014年の日本を振り返る。

1月

細川・小泉氏が「脱原発」でタッグ

細川護熙元首相が2月実施予定の東京都知事選への出馬を表明。小泉純一郎首相の支援を受け、「脱原発」を公約の前面に打ち出して注目を集めた。だが結果は、当選した舛添要一・元厚労相に大差をつけられ、宇都宮健児・日弁連前会長にもおよばず敗北した。

STAP細胞:歓喜と転落

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子・研究ユニットリーダーらが「新型の万能細胞」だとするSTAP細胞の論文が、英科学誌『ネイチャー』に掲載。当初は「生物学の常識を覆す画期的な発見」とされ、小保方氏は一躍「時の人」となった。しかし、間もなく「論文に不自然な画像がある」と指摘され、理研は調査を開始。4月1日に「論文に不正があった」と認定した。ネイチャーも7月に論文の撤回を発表した。その後、小保方氏も参加した検証実験でも論文通りの手法では細胞を作成できず、理研は12月19日に実験打ち切りを発表した。

2月

ソチ冬季五輪:羽生と葛西

ロシアのソチで開かれた冬季オリンピックで、日本は金1、銀4、銅3の計8個のメダルを獲得し、1998年長野大会の10個に次ぐ歴代2番目の成績を収めた。フィギュアスケート男子では、羽生結弦(19)が日本人初の金メダルを獲得。スノーボード男子ハーフパイプ2位の平野歩夢(15)とジャンプ男子ラージヒル2位の葛西紀明(41)は、日本の冬季五輪メダリストの最年少、最年長記録を塗り替えた。

3月

日本一の超高層ビル:あべのハルカス開業

高さ300メートルで日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)が7日に全面開業。11月には、最上階にある展望台への来場者が200万人に達した。

東日本大震災から3年

2011年3月11日発生の東日本大震災から3年が経過。3月10日現在の警察庁まとめでは、震災による死者は15884人、行方不明者は2633人。9月の段階で、岩手、宮城、福島3県ではまだ8万9千人がプレハブ仮設住宅に暮らす。福島第1原発の廃炉準備作業は遅れており、政府と東京電力は10月に工程表の見直しを発表、溶融した原子炉内の燃料は5年遅れの2025年度に開始するとしている。11月には鹿児島県が九州電力川内原発(薩摩川内市)の再稼働に同意するなど、全国で原発再稼働への動きが進んでいる。

国際司法裁が調査捕鯨にノー

国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)は31日、南極海での日本の調査捕鯨が国際捕鯨取締条約に違反すると訴えていたオーストラリアの主張を全面的に認めた。日本政府代表は「判決を受け入れる」ことを表明。南極海での調査捕鯨は中止されることとなった。

4月

消費税、8%に引き上げ

消費税の税率が1日から、5%から8%に引き上げられた、税率アップは1997年4月以来17年ぶり。89年に税率3%が導入されてから2度目の引き上げ。

オバマ米大統領が日本訪問

米国のオバマ大統領が国賓待遇で、23日から25日まで日本を訪問。日米首脳会談後の共同記者会見では、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることを米大統領として初めて明言した。日本の集団的自衛権行使に向けた憲法解釈見直しの動きに対しては、米側が「歓迎と支持」を表明した。

5月

若田光一さんが宇宙から帰還

国際宇宙ステーション(ISS)に約半年滞在し、日本人初の船長を務めた若田光一さんが14日、ロシアの宇宙船でカザフスタン中央部の草原に無事着陸し、任務を終えた。4回目の飛行となる今回の宇宙滞在日数は188日で、日本人の記録を更新。若田さんの宇宙滞在合計時間は348日となった。

6月

都議会“女性蔑視ヤジ”に批判高まる

18日の東京都議会本会議で、塩村文夏議員(みんなの党)が女性の妊娠や出産をめぐる都の政策について質問した際、「早く結婚したほうがいいんじゃないか」などと男性の声が飛び、“女性蔑視ヤジ”だと世論の批判が高まった。自民党の鈴木章浩議員が発言を認めて謝罪、自民会派を離脱した。7月には兵庫県の野々村竜太郎県議が政務活動費を不正使用したとして議員を辞職。記者会見で野々村氏が「号泣」したことにも注目が集まり、地方議員の質の問題がクローズアップされた。

サッカーW杯、日本は1次敗退

ブラジルで開催されたサッカー・ワールドカップ(W杯)で、ザッケローニ監督率いる日本は1次リーグ敗退の結果に。初戦のコートジボワールに1―2で敗北、ギリシャとは0-0で引き分けた後、コロンビアに1-4と完敗した。

7月

集団自衛権認める憲法解釈変更を閣議決定

政府は1日開いた臨時閣議で、憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認することを決めた。歴代内閣は長年、集団的自衛権の行使を「憲法上許されない」としてきたが、安倍内閣は安全保障環境の変化を理由に容認に踏み切った。

拉致再調査で、北朝鮮制裁の一部を解除

日本政府は4日、北朝鮮に対し独自に実施していた制裁の一部解除を決めた。5月の日朝協議で北朝鮮が再調査の開始を約束し、「特別調査委員会」を設置したことに伴う措置。再調査の最初の結果は「夏の終わりか秋の初め」とされていたが、10月下旬に平壌で行われた日朝協議では、横田めぐみさんら拉致被害者の安否情報は示されなかった。

8月

広島豪雨、土砂崩れで74人死亡

広島市の安佐南区、安佐北区で局地的な豪雨による土砂崩れや土石流が発生。多数の住宅が巻き込まれ、74人が死亡した。安佐南区の八木地区では最も多い52人が犠牲に。災害の一因としては、花こう岩が風化してできる「真砂土(まさど)」と呼ばれる軟らかい土が水を含んで、一気に崩れ落ちたのではと指摘されている。

9月

安倍首相が内閣改造

安倍晋三首相が3日、内閣改造と自民党役員人事を断行。主要閣僚は留任したが、過去最多となる5人の女性を閣僚に起用した。10月には、自身の政治資金管理団体や後援会の不透明な資金処理が表面化した小渕優子経産相、また松島みどり法相が相次いで辞任に追い込まれ、「政治とカネ」の問題が改めて注目された。

デング熱感染が拡大

8月下旬に70年ぶりの国内感染が確認されたデング熱。東京を中心に感染が拡大し、東京都が代々木公園を閉鎖するなどの騒ぎとなった。公園周辺のヤブ蚊が海外で感染した患者の血を吸ってデングウイルスを持ち、それらが媒介となって感染が拡大したとみられている。感染者は18都道府県で160人に上った。

全米テニスで錦織が準優勝

テニス4大大会の1つ、全米オープンの男子シングルスで、錦織圭が世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破り、日本人として初めて4大大会のシングルス決勝に進出。決勝では敗れたものの、その活躍に日本中が沸いた。

「吉田調書」「従軍慰安婦」報道で朝日新聞が謝罪

東京電力福島第一原子力発電所事故を巡って政府事故調査・検証委員会が吉田昌郎元所長(故人)に対して行った聞き取り調査の報告書「吉田調書」の報道について、朝日新聞社の木村伊量社長が、誤りがあったとして記事を取り消し、謝罪。木村社長は、「従軍慰安婦を強制連行した」をしたとする吉田清治氏(故人)の証言に基づく1982年の記事を8月に訂正したことについても「誤った記事で訂正は遅きに失した」と謝罪した。

iPS細胞使った世界初の手術を実施

理化学研究所と先端医療センター病院(ともに神戸市)が12日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った目の網膜の細胞を加齢黄斑変性の70代女性に移植する手術を実施した。京都大学の山中伸弥教授が2006年に開発したiPS細胞が実際の治療に使われたのは世界で初めて。

御岳山噴火で57人死亡

長野、岐阜県境にある御岳山(3067メートル)が27日、2007年以来7年ぶりに水蒸気噴火した。週末の登山者が山頂付近に多数おり、長野県警などによる捜索の結果、57人の死亡を確認。戦後最悪の火山災害となった。10月16日には、積雪などによる2次災害に巻き込まれる危険性が高いとして、年内の行方不明者捜索が打ち切られた。

10月

ノーベル物理学賞に日本の3氏

スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2014年のノーベル物理学賞に、青色発光ダイオード(LED)を開発した名城大学教授の赤崎勇(あかさき・いさむ)氏、名古屋大学教授の天野浩(あまの・ひろし)氏、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二(なかむら・しゅうじ)氏=米国籍=の3氏に送ると発表した。日本の受賞は12年の山中伸弥・京都大学教授以来。受賞者は米国籍の2人を含め22人に。授賞式は12月10日にストックホルムで行われた。

日銀が金融追加緩和決定

日本銀行は31日、これまで60~70億円のペースで増やすとしていたマネタリーベース(資金供給量)を約80兆円まで拡大するという追加金融緩和を決定。予想外の決定で、日経平均株価の終値は連休明けの11月4日、一時1万700円台をつける約7年ぶりの高値となった。

11月

2年半ぶり日中首脳会談

日本、中国両政府が7日、「日中関係の改善に向けた話し合いについて」と題する合意文書を発表。歴史認識問題について「双方は、歴史を直視」すること、尖閣問題については「双方は、異なる見解を有していると認識」するとされた。これを受けて安倍晋三首相中国の習近平国家主席は10日、北京市内で首脳会談を行い、「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻ることで一致した。

沖縄県知事選で辺野古移設反対派が勝利

沖縄県知事選挙の投票が16日行われ、米軍普天間基地の辺野古移設計画に反対する前那覇市長の翁長雄志氏が、自民党などが推薦する現職の仲井真弘多氏らを破り、初当選を果たした。今回は保守系の翁長氏を、県内の革新系団体がそろって支援。12月の衆院選でも県内4つの小選挙区すべてで「非自民」候補が勝利した。

消費税再引き上げを先送り

内閣府が17日発表した7-9月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、年率換算1.6%減と、2四半期連続のマイナス成長に。安倍晋三首相は18日、2015年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げを1年半先送りを決めるとともに、衆議院解散・総選挙実施を表明した。

高倉健さん、菅原文太さんが死去

任侠映画で一世を風靡し、「幸福の黄色いハンカチ」「鉄道員(ぽっぽや)」などにも主演した日本映画界を代表するスター、高倉健さんが、悪性リンパ腫のため10日死去していたことが18日に判明。83歳だった。28日には、「仁義なき戦い」「トラック野郎シリーズ」などのアウトロー役で知られた菅原文太さんが81歳で死去した。

12月

特定秘密保護法が施行

国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法が10日、施行された。同法は、外務、防衛両省や警察庁、公安調査庁などが安全保障上の理由で秘匿が必要とした情報を「特定秘密」として指定。指定は最長60年の延長が可能となっている。機密指定の基準があいまいで、政府に不都合な情報の半永久的な隠ぺいにつながるとの批判も出て、法案審議の段階で与野党が紛糾。参議院特別委員会での強行採決なども経て、2013年12月に可決された。

衆院選で自民大勝

第47回衆議院選挙は14日に投開票が行われ、自民党が公示前議席(295)と同程度の291議席を獲得して大勝。連立を組む公明党と合わせると326議席となり、引き続き衆院の3分の2(317)以上を確保した。野党は民主党が73議席、維新の党が41議席、共産党は21議席と躍進した。民主党の海江田万里代表は落選し、党代表の辞任を表明した。

タイトル写真:「STAP細胞」の論文問題で記者会見する、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー=2014年4月9日、大阪市内のホテル(時事)

  • [2014.12.30]
この記事につけられたタグ:
関連記事
その他のコラム

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告