ニュースで振り返る2015年の日本
[2015.12.29] 他の言語で読む : ENGLISH |

安保法案の可決・成立、辺野古埋め立てをめぐる政府と沖縄県の対立、「戦後70年談話」の発表、TPP交渉の大筋合意、ISによる後藤健二さん殺害——ニュースで2015年の日本を振り返る。

1月

首相が中東歴訪、IS対策で支援表明

安倍晋三首相が、エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナの中東4カ国を歴訪し、各国首脳と会談。17日にエジプト・カイロで行った中東政策の演説で、地域全体で新たに25億ドル(約2,940億円)相当の支援を行うこと、うち過激派組織「イスラム国」(IS)対策として難民・避難民支援などに総額2億ドルの無償資金協力を行うことを表明した。

後藤健二さん殺害、ISが犯行声明

ISを名乗るグループが20日、72時間以内に身代金2億ドル(約236億円)を支払わなければ拘束している日本人男性2人を殺害すると警告するビデオ声明を公開。人質は元会社経営者の湯川遥菜(はるな)さんとフリージャーナリストの後藤健二さんで、ISは25日に「湯川さんを殺害した」と主張、31日(日本時間2月1日)には後藤さんを殺害したとする映像をインターネット上で公開した。

スカイマークが破たん

経営不振が続いていた国内航空3位のスカイマークが自力での再建を断念し、28日に東京地裁に民事再生法の適用を申請、受理された。負債総額は710億円余り。路線の運航は継続し、8月には投資ファンドとANAの支援を受けて再生に取り組むことが決まった。

2月

政治とカネ”で西川農水相辞任

西川公也農水相が、自らが関連する政治団体の献金問題に責任をとる形で辞任。安倍晋三首相は後任に、林芳正前農水相の起用を決めた。

3月

北陸新幹線が開業

東京─金沢間を結ぶ北陸新幹線が開業。所要時間は最速2時間28分で、在来線より1時間19分短縮された。1997年10月に開業した長野新幹線を金沢まで延伸、2022年度には福井・敦賀まで延伸する見通し。開業6カ月で計画を上回る乗客を集め、沿線の観光地は経済効果の恩恵を受けている。

老朽原発の廃炉決定

関西電力が美浜原発1、2号機(福井県美浜町)、日本原子力発電が敦賀原発1号機(同県敦賀市)中国電力が島根原発1号機(島根県松江市)、九州電力が玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の廃炉をそれぞれ決定。東京電力福島第一原発事故後に原発の運転期間を原則40年とする新基準が定められてから初の廃炉で、国内の原発は48基から43基になった。

同性カップルに証明書

東京都渋谷区が、同性のカップルに「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する条例案を区議会に提出、可決された。4月には東京都世田谷区も、同様の施策を検討すると表明。11月には制度の運用が始まった。証明書に法的な拘束力はないが、性的少数者への偏見や差別をなくすことにつながると期待されている。

4月

15年ぶりに日経株価2万円

日経平均株価が10日、約15年ぶりに一時2万円台を回復した。2000年4月17日以来の水準。欧米市場での株価の値上がりや、円安などを背景にした国内企業の業績回復への期待感か、買い注文が膨らんだ。

安倍首相訪米

安倍首相が26日から8日間の日程で米国を訪問。オバマ大統領での首脳会談では日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定の意義を強調するともに、安全保障と経済の両面で同盟強化進展を確認する共同声明を発表した。29日には日本の首相として初めて上下両院合同会議で演説し、戦後70年の節目に「戦後の日本は先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」と表明した。

5月

世界遺産登録で日韓が摩擦

官営八幡製鉄所(現・新日鉄住金八幡製鉄所、北九州市)、「軍艦島」として知られる端島炭坑(長崎市)など、「明治日本の産業革命遺産」23施設を世界文化遺産に登録するよう国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が勧告。 韓国政府は、うち7施設で朝鮮半島の出身者による強制労働が行われたとして反対し、大規模なロビー活動を一時展開した。

住民投票で「大阪都構想」否決

大阪市を廃止し、5つの特別区に分割する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が17日行われ、反対が賛成をわずかに上回り否決された。同構想の旗振り役だった橋下徹市長は12月までの任期は全うするものの、次の市長選挙には立候補せず政界を引退する意向を表明した。維新の党の江田憲司代表は責任をとって辞任。後任に松野頼久氏が就任した。

6月

年金機構から個人情報大量流出

公的年金を運営する特殊法人、日本年金機構(旧・社会保険庁)がサイバー攻撃を受け、同機構が管理している年金加入者らの氏名、住所、生年月日、基礎年金番号などの個人情報が流出したことが1日明らかになった。職員が不審なメールの添付ファイルを開封し、パソコンがウイルスに感染。サーバーから情報が盗み取られた。流出件数は約125万件に上った。

選挙権年齢引き下げ、18歳に

選挙権年齢を現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が17日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。施行は1年後で、2016年夏の参院選には約240万人(全有権者数の約2%)が新たな有権者となる。選挙権の変更は、1945年以来70年ぶり。

7月

又吉さんの『火花』、大ベストセラーに

第153回の芥川賞に羽田圭介さん(29)の『スクラップ・アンド・ビルド』と又吉直樹さん(35)の『火花』が選ばれた。又吉さんは人気お笑いコンビ「ピース」の一人で、これがデビュー作。『火花』は12月までに240万部を発行する大ベストセラーとなった。

新国立競技場計画を白紙に

2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の総工費が2520億円にもなるという建設計画に批判が高まり、安倍晋三首相は17日、「計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直す」と表明。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が新たな整備計画をまとめ、設計・施工案を再公募する。

東芝が不正会計認める

東芝が社会インフラ事業やパソコン事業など全社的に不適切会計を繰り返していた問題をめぐり、会計調査を進めてきた第三者委員会は20日、2008年から14年までの利益水増しが1562億円に上り、その一部について「組織的な関与」があったと断定した。田中久雄社長ら歴代の社長3人が辞任を表明。12月には2016年3月期の純損失が5500億円になるとの業績予想とともに、国内外でグループ従業員1万人を削減するリストラ策を発表した。

8月

川内原発が再稼働

福島第一原発事故を受けて2013年7月に原子力規制委員会が施行した新規制基準下で初めて、川内原子力発電所1号機(鹿児島県薩摩川内市)が11日に再稼働。13年9月に福井県の大飯原発が停止して以来、1年11カ月ぶりに「原発ゼロ」の状態が終わった。1号機は9月10日に営業運転に移行。2号機も10月15日に再稼働した。

戦後70年談話

安倍首相が14日、戦後70年談話を発表。「わが国は先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」とした上で、「歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」と明言。「侵略」や「植民地支配」にも言及した。

9月

五輪エンブレムを白紙撤回

2020年東京オリンピックの大会組織委員会が1日、7月に公表した五輪公式エンブレムの白紙撤回を決めた。ベルギーのリエージュ劇場のロゴに似ているなどと指摘され、選考経緯の不透明さなどが批判を受けた。組織委は11月に新エンブレムのデザイン公募受付を開始。12月7日の締め切りまでに、14599点の応募があった。

辺野古めぐり国と県が真っ向対立

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古(同県名護市)への移設に向けた作業を8月10日に中断して以来、政府と沖縄県が行ってきた集中協議が決裂し、政府は12日に辺野古での工事を再開した。沖縄県の翁長雄志知事は、10月に辺野古の埋め立て承認を取り消し。これを国土交通相が「執行停止」とし、政府は埋め立てに向けた本体工事に着手した。

安保法案が可決、成立

集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法案が19日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。法案をめぐっては、自衛隊の海外での武力行使に道を開く内容が憲法違反との声もあり、世論は賛否が二分。「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)などの学生グループが注目され、国会周辺を含め各地で激しい抗議・反対活動が行われた。

ラグビー日本代表が健闘

ラグビーのワールドカップイングランド大会1次リーグで、日本が過去2回の優勝を誇る南アフリカに34─32で逆転勝ち。決勝トーナメント進出はならなかったものの、3勝1敗と大活躍した。フルバックの五郎丸歩選手(ヤマハ発動機)は一躍“時の人”に。キックの前に両手を合わせて指を立てる「五郎丸ポーズ」は流行語にもなった。

10月

マイナンバー制度がスタート

日本に住む一人ひとりに12桁の番号を割り振り、税や社会保障などの個人情報を結びつける「マイナンバー制度」実施に向けた法律(マイナンバー法)が施行。11月には「通知カード」の送付が始まった。

TPPが大筋合意

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚会合で5日、日本、米国を含む交渉参加12カ国が貿易・投資ルールについて大筋合意した。関税引き下げで日本は農林水産業、特に畜産・酪農分野のダメージが大きいと言われており、各地方自治体はその影響について独自の試算を始めた。

大村、梶田両氏にノーベル賞

2015年のノーベル生理学・医学賞受賞者に大村智 ・北里大特別栄誉教授(80)、物理学賞に梶田隆章・東京大学宇宙線研究所所長(56)と、2人の日本人の受賞が決まった。大村氏は、抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質を発見し、熱帯などに住む多くの人々を失明の危機から救った。梶田氏は岐阜県にある装置「スーパーカミオカンデ」で謎の多い素粒子ニュートリノを観測し、ニュートリノに質量があることを突き止めた。

11月

日中韓、日韓首脳が会談

日本政府による尖閣諸島の国有化に中国が反発したことなどから中断されていた日中韓首脳会談が1日、2012年5月以来約3年半ぶりにソウルで行われた。2日には安倍晋三首相と韓国の朴槿恵大統領が初めて正式に会談。安倍首相は韓国が最大の懸案と位置づけていた慰安婦問題について「早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致した」と述べ、日韓関係の改善に意欲を示した。

郵政3社が上場

政府が株式を100%保有していた日本郵政と、傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が4日、東京証券取引所第1部に株式を新規上場。3社の時価総額は計15兆3960億円で、1987年のNTT(約25兆円)に次ぐ大規模な上場となった。

国産ジェットが初飛行

三菱航空機が開発を進めている国産初の小型ジェット旅客機MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)が11日、愛知県の県営名古屋空港で約1時間半の初飛行に成功。国産旅客機の開発はプロペラ機「YS‐11」以来半世紀ぶりで、実用化に向けて大きく前進した。

フィギュアの羽生、新たな高みに

長野市で開かれていたフィギュアスケートのNHK杯で28日、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦選手(20)がショートプログラム、フリー合計で世界初の300点突破となる322.40で優勝を飾った。12月にスペインで行われたグランプリファイナルでは330.43と記録をさらに書き替え、男子初の3連覇を達成した。

12月

探査機「あかつき」、金星軌道投入に成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、2010年に打ち上げられ、一度は金星を回る軌道投入に失敗していた探査機「あかつき」の小型エンジンを噴射。9日の記者会見で「軌道への投入に成功した」と発表した。「あかつき」はこれまで、本来の目的を外れて太陽の周りを回っていた。日本の探査機が地球以外の惑星を回る軌道に入ったのは初めて。

最高裁、夫婦同姓に「合憲」判断

夫婦別姓を認めない憲法の規定が違憲かどうかが争られた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官は16日、「夫婦同姓規定には合理性があり合憲」とする初めての判断を示した。制度のあり方については「国会で判断されるべきだ」とした。裁判官全15人のうち、3人の女性裁判官全員を含む5人は違憲だとの意見を述べた。女性だけに離婚後6か月の再婚禁止期間を定めた民法の規定は「100日を超えて再婚を禁じるのは過剰な制約」で違憲と判断した。

新国立競技場、隈研吾氏デザインで建設へ

白紙撤回されていた新国立競技場の建設で、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は22日、建築家の隈研吾氏と大成建設、梓設計のチームによる提案を採用することを関係閣僚会議に報告した。計画によると。競技場は地上5階、地下2階建てで、6万8000人収容。総工費は1490億円で、2019年11月に完成予定。

バナー写真:安保法案に反対し、国会前でデモを行う若者たち=2015年7月31日夜、東京・永田町(時事)

  • [2015.12.29]
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