新潟県知事選で原発再稼働反対派が当選
鹿児島に続き、政府に打撃
[2016.10.17] 他の言語で読む : ENGLISH |

東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の是非が争点となった新潟県知事選が2016年10月16日に投開票され、再稼働に反対している無所属新人で医師の米山隆一氏(49)=共産、自由(※1)、社民推薦=が、前長岡市長の森民夫氏(67)=自民、公明推薦=ら無所属の新人3人を破って初当選した。投票率は53.05%(前回43.95%)。

7月の鹿児島県知事選でも九州電力川内原発の一時停止を求める三反園訓氏が当選。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故(2011年)から5年を経ても、原発立地県の民意は再稼働に強い拒否感があることが浮き彫りになった。

知事は原発運転に直接関与する法的権限はないが、再稼働には地元の同意が事実上必要で、米山氏の当選で極めて難しくなった。国のエネルギー政策にも影響が出てきそうだ。

新潟県知事選の得票結果

米山隆一=無新(共産、自由、社民推薦) 528,455
森民夫=無新(自民、公明推薦) 465,044
後藤浩昌=無新 11,086
三村誉一=無新 8,704

投票率53.05%(前回43.95%)

自民、公明両党は、県第2の都市、長岡で市長を約17年務めた森氏を全面的に支援。県議、市町村長の大半も森氏支持に回り、9月29日の告示前には「当選はほぼ確実」とみられていた。森氏敗北は安倍政権にとって大きな打撃で、首相の衆院解散戦略にも影を落としそうだ。

自民、楽観ムードから暗転

柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)は現在全7基が停止しており、原子力規制委員会が6号機、7号機の適合審査を実施している。

新潟県では、再稼働に慎重姿勢だった泉田裕彦知事が8月末に突然立候補を取りやめ。県知事選は一時、「森氏でほぼ決まり」とのムードがあった。米山氏は、告示6日前の9月23日に出馬を表明。泉田氏の路線継承を掲げ、再稼働については原発事故の原因、健康と生活への影響、事故時の安全な避難方法など、福島第1原発事故の具体的な検証がない限り「議論には応じられない」と訴えた。

野党第1党の民進党は支持組織に電力会社の労働組合を抱えており、「連合新潟」が森氏支援を打ち出したこともあって、今回の県知事選は自主投票を決めた。しかし、選挙戦終盤になって蓮舫代表が新潟入りし、米山氏の応援演説を行った。

米山隆一(よねやま・りゅういち)

医療法人理事長。1967年9月8日、新潟県湯之谷村(現・魚沼市)生まれ。東京大学医学部、同大大学院経済学系研究科と医学系研究科を経て、放射線科医として放射線医学総合研究所、米ハーバード大学付属マサチューセッツ総合病院(研究員)で勤務した。医学博士で弁護士資格も持つ。次期衆院選の民進党公認予定者(新潟5区)だったが、無所属で知事選に出馬し、当選した。

文・ニッポンドットコム編集部

バナー写真=新潟県知事選で初当選を確実とし、万歳する米山隆一氏(中央)=2016年10月16日、新潟市(時事)

(※1)^ 野党の「生活の党と山本太郎と仲間たち」は10月12日、自由党への党名変更を決定し、総務省に届け出た。

  • [2016.10.17]
この記事につけられたタグ:
関連記事
その他のコラム

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告