アラグチ外務次官、イランの新たな役割を語る

政治・外交

2017年8月8日、東京・虎ノ門の笹川平和財団ビル国際会議場で、イラン外務省のセイエッド・アッバス・アラグチ次官が「中東情勢とイランの新たな役割」と題して講演を行った。同氏は08~11年に駐日大使を務めた後、15年7月にイランが米英仏中露独の6カ国と結んだ核合意における交渉で中心的な役割を果たした。

同氏は、現在の国際情勢における中東地域の重要性を強調。この地域で生じている深刻な問題を解決するためには、相手に敬意を示し、相互に利があるような関係を築いていく姿勢が求められていると述べた。イラン核合意においても、米国のオバマ前政権がウラン濃縮を一切認めないという強硬論ではなく、核の平和的な利用に関しては認めると譲歩したことが成功への道を切り開いたと評価。その一方で、ミサイル開発を理由に経済制裁を強化するトランプ現政権を批判した。

イランとしては、テロリズムに対しては戦っていくが、それ以外では軍事力は専守防衛のためにだけ行使し、「対話と協力」を重視し、話し合いによって中東地域の安定を求めていくと語った。

バナー写真=笹川平和財団の招きで来日したイラン外務省のアラグチ次官

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