[ニュース]領土交渉に期限設けず=クラスノヤルスク方式を否定−ロシア高官
[2016.12.14] 他の言語で読む : ENGLISH |

【モスクワ時事】ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は13日、日ロ首脳会談を前に、北方領土問題を含む平和条約交渉に期限を設けない立場を示した。タス通信などの記者団に「(日ロ)双方に受け入れ可能な解決を見いだすのにあらかじめ期限を区切ることは適切でないと考える」と述べた。

プーチン大統領は15日に訪日し、安倍晋三首相は首脳会談で北方領土問題の前進を模索する。補佐官の発言は、過去に「2000年までの平和条約締結を目指す」ことで合意したクラスノヤルスク会談(1997年)のように今回、日ロ両首脳が目標期限を設定する可能性を否定したと言えそうだ。

ただ、補佐官は「(両首脳が)四島での共同経済活動について声明を発表する可能性がある」と指摘。共同経済活動については一定の合意に達する見通しがあることを強く示唆した。

プーチン大統領の訪日をめぐり、日本側ではこの機会に北方領土問題が大きく前進するのではないかと期待も高まっている。しかし、補佐官は「過剰な期待を人工的にあおることは看過できない。ロシアは単純な解決があり得ないことを説明し続ける」と強調。過熱する報道を念頭にくぎを刺した。

北方領土「ラストチャンス」=「ロシア甘くない」警戒も−経済交流に期待・北海道

戦後71年たってもなお未解決の北方領土問題。15、16両日に山口県長門市などで開かれる日ロ首脳会談を前に、北方四島の元島民らは「ラストチャンスでもう待てない」と返還交渉の進展を望む一方、「ロシアは甘くない」と冷静な姿勢を崩さない。北海道内では、四島を含むロシアとの共同経済活動への期待も高まっている。

「日ロ双方の政権が安定している中での会談なので、今までとは違う高い期待をしたい」。北方四島の元住民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)理事長の脇紀美夫さん(75)は語る。1941年に国後島で生まれ、旧ソ連による占領で48年秋に強制退去させられた。

機関銃を持ったソ連兵が土足で自宅に乗り込んできたこともあったが、戦後3年間はロシア人との混住を経験。「ロシア人の子どもたちと浜辺で石蹴りなどをして遊んだ。ロシア人のお母さんからは乾パンや缶詰をもらった」と振り返る。

終戦直後には4島で計約1万7300人いた住民は、今年3月末で3分の1の約6300人まで減少。平均年齢も81.3歳と高齢化が進む。脇さんは「(領土問題は)外交交渉だから難しい。これまでも期待だけで終わり、疑心暗鬼になることもある。だが、今回が駄目だとしたらいつなのか。ラストチャンスに近い」と焦りを募らせる。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2016.12.14]
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