[ニュース]駐韓大使が一時帰国=10日にも安倍首相と協議−釜山・少女像に対抗措置
[2017.01.10] 他の言語で読む : ENGLISH |

韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が新たに設置されたことへの対抗措置として、長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事が9日、それぞれ一時帰国した。長嶺氏らの日本滞在は数日間となる見通し。10日にも安倍晋三首相や菅義偉官房長官に状況を報告し、今後の対応を協議する。日本としては、少女像撤去を含め、慰安婦問題に関する2015年末の日韓合意の着実な履行を韓国側に求めていく方針だ。

長嶺氏は9日午後、羽田空港着の民間機で帰国。これに先立ち、ソウルの金浦空港で記者団に「少女像設立は極めて遺憾だ」と改めて強調した。森本氏は同日午前に成田空港に到着した。両氏は外務省で金杉憲治アジア大洋州局長と会い、首相への報告を前にすり合わせを行った。

少女像はソウルの日本大使館前に続き、釜山の総領事館前に昨年12月末に設置された。これを受け日本政府は今月6日、日韓合意の精神に反するとして、大使と総領事の一時帰国に加え、通貨スワップ(交換)協議の中断や日韓ハイレベル経済協議の延期などの対抗措置を発表した。

駐韓大使の一時帰国は、12年8月の李明博大統領(当時)の竹島上陸への抗議で実施して以来。日韓合意に基づき元慰安婦支援のため10億円を拠出した日本としては、強力な対抗措置により韓国側の誠実な対応を引き出したい考えだ。

しかし、朴槿恵大統領の職務停止で韓国の内政は混乱しており、少女像撤去などは見通せない状況だ。日本外務省幹部は「出口戦略は描けてない。韓国側の対応を見て考える」と語った。

韓国内では日本の対抗措置に反発する声が出ており、柳一鎬副首相兼企画財政相は8日、与野党議員らに「外交問題が経済的な影響を与えるのではないか」と懸念を示した。

韓国外相、日本大使に遺憾表明=少女像問題、次期政権に−関係停滞長期化も

【ソウル時事】韓国南東部・釜山の日本総領事館前に少女像が設置された問題で、日本政府が長嶺安政大使の一時帰国など対抗措置を発表したことを受け、尹炳世外相は6日午後、長嶺大使を呼んで約1時間会談し、「遺憾の意」を表明した。尹外相と長嶺大使はまた、慰安婦問題に関する日韓合意を着実に履行していく立場を再確認した。

日本政府は、少女像の設置が合意に反するだけでなく、外国公館の安全や権威維持をうたったウィーン条約にも違反しているとして、即時撤去を求めている。長嶺大使はこうした立場を伝えたとみられる。

釜山の少女像に対し、韓国政府は撤去への具体的な措置を取れない状況だ。朴槿恵大統領の親友、崔順実被告の国政介入事件を受け、弾劾訴追案が可決され、職務停止となる中、ソウルの日本大使館前にある少女像を含め、問題解決は次期政権に持ち越される可能性が高い。勢いを増す野党は、合意の破棄を求めており、次期政権の対応次第では日韓関係が長期停滞局面に入る恐れもある。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.01.10]
この記事につけられたタグ:
関連記事
その他のコラム

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告