[ニュース]JICA、シリア難民留学生受け入れ=院生20人、ヨルダン、レバノンで募集
[2017.08.22] 他の言語で読む : ENGLISH | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية | Русский |

内戦を逃れ難民として隣国レバノンやヨルダンで暮らすシリア人から募った留学生たちが、この秋からいよいよ日本の大学院で学業をスタートさせる。受け入れる国際協力機構(JICA)は今、日本語研修をはじめ準備に忙しい。並行して来年度の募集も間もなく開始する。

日本への留学生受け入れは、2015年の欧州難民危機を受け、翌年5月の伊勢志摩サミットを前に安倍晋三首相が発表した。5年間で150人を受け入れる計画のうち、100人をJICAが担当する。

初年度の今回は20人。対象は22〜39歳の大学院生で「日本語ではなく英語で学べること」というハードルがあったにもかかわらず、関西学院大、慶応大、国際大、創価大、東京外大、東京農大、広島大、宮崎大、立命館大、立命館アジア太平洋大、琉球大と11大学から受け入れ表明があった。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の協力を得て昨年11月から募集を開始。レバノンで54人、ヨルダンで66人の応募があった。「ふたを開けるまで、シリアの学生が日本で何を学びたいか手探りだった」と担当者も悩んだ専攻は、工学の希望が多かった。携わった関係者は「復興に役立つ学問が求められている」と感じている。

筆記試験や面接を経て6月に合格者が決定。続いて査証取得、航空券手配といった手続きに追われている。来日でき次第、日本語研修を行い、各大学新学期に合わせ9月や10月から学び始める。

関係者によると「戦場に近い所ではまひしていた感情が、平和な所へ来ると急に噴き出してトラウマがよみがえることもある」。JICAはカウンセリングも用意して対応する。

レバノンやヨルダンはたとえ難民認定されていても一度出国すると簡単には戻れない。学業が終わりに近づけばその先にまた不安が待つ。日本での就職も考えないといけない。JICAでは来年夏をめどに留学生と企業の交流会を実施できないか計画を練る。

一方、来年度の募集をUNHCRと調整して早めに開始する。今回の募集を通じ「レバノンでは郵便が機能せず、応募書類は窓口に自分で持ってくるしかなかった」と関係者が語る通り、始めてみて分かったことも多い。郵送受け付けはやめて、応募期間を長めに取ると同時に、来日の時期も早め、日本語の学習期間を少し長くしたいと考えている。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.08.22]
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