[ニュース]クマムシ「最強」なぜ?=絶対0度でも生存-解明へネット募金・山形
[2017.05.12] 他の言語で読む : ENGLISH |

マイナス273度の低温環境や真空状態でも生き延び、「最強生物」と称されるクマムシ。15年以上にわたって研究を続け、「クマムシ博士」を自認する慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)の堀川大樹特任講師(39)は、この驚くべき生命力の謎を解き明かすべく、インターネットで研究資金を募っている。

8本脚で歩くクマムシは昆虫ではなく、「緩歩動物」に分類される。多くは体長1ミリ未満で、世界中で1200種類以上が見つかっている。最大の特徴は、体の水分がなくなると「乾眠」という仮死状態になり、水を掛けると再び活動を始めること。乾眠時は絶対0度や人間の致死量の約1000倍の放射線に耐えるものもいるという。

堀川さんがクマムシに出会ったのは、神奈川大の学部生だった2001年。「人間のように神経も筋肉もあるのに乾眠するなんて」と驚き、「かわいくてかっこいい」と魅力に取りつかれた。放射線に対する耐性の解析や、藻類を与えるヨコヅナクマムシの飼育法の確立といった成果を挙げ、14年10月からは慶応大などで研究している。

今後は、クマムシの耐性に関わる遺伝子を特定する研究に乗り出す。成果が出にくい基礎研究には研究費がつきにくく、今年3月、インターネットで不特定多数から資金を集めるクラウドファンディングで研究費を募り始めた。

支援額に応じた返礼品として、オリジナルのクマムシグッズや堀川さんが参加するサイエンスカフェのチケットなどを用意。既に当初の目標金額200万円を達成し、300万円を目指している。

桁外れの耐性のメカニズムが明らかになれば、実生活に応用できるかもしれない。「東南アジアのエビを乾眠状態で輸入し、キッチンで塩水を掛けるとぴちぴちと動きだし、新鮮なまま食べられる。そんなことができるかも」。堀川さんは目を輝かせる。

支援は学術系クラウドファンディングサイト「アカデミスト」(https://academist-cf.com/projects/?id=42)から。5月19日まで。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.05.12]
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