超人スポーツEXPO開催
[2015.10.29] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | العربية |

人間の身体能力を補綴・拡張する人間拡張工学に基づき「人を超える」、あるいは年齢や障害などの身体差で生じる「人と人のバリアを超える」。そんなコンセプトの下で新たなスポーツを創りだそうという超人スポーツEXPOが開催された。

東京オリンピック・パラリンピックを視野に

研究者、アーチスト、デザイナーなどで構成する「超人スポーツ協会」は今年6月に設立され、これまで参加者がアイディアを出し合う「アイディアソン」や、試作品、試技を競い合う「ハッカソン」などを通じ、新たなスポーツの創造に向けて活動してきた。稲見昌彦・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授などが同協会の共同代表となっている。

「第1回超人スポーツEXPO」は経済産業省と一般財団法人「デジタルコンテンツ協会」共催の「デジタルコンテンツEXPO」のフィーチャーイベントとして、お台場の「日本科学未来館」で10月22日から4日間の日程で開催された。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせ、超人スポーツ5種競技の国際大会開催を目指している。28年には超人スポーツをオリンピック・パラリンピックの公式種目にするとのビジョンも持っており夢は壮大だ。

仮想現実

キャリオット

筆者は早速、屋内展示スペースの一角に設けられたステージで、「HADO」と名付けられた仮想空間での対戦ゲームに参加させてもらった。ゴーグルと腕輪状の通信装置を付け、対戦が始まり、腕を振り下ろすと、振動とともに光の弾丸が相手に向け放たれる。命中すれば得点だ。腕を左右に振るとゴーグル画面に防御壁が現れ、相手の放った弾丸をよけることができる。通常、3人程度で行われる対戦の模様は大スクリーンにも映し出される。

屋外展示スペースでは、「Bubble Jumper」「キャリオット」「Hover Crosse」などのデモンストレーションが行われた。「Bubble Jumper」では、両サイドに分かれたデモンストレーター2人が、ジャンピングシューズを履き、巨大なビーチボール状の「バブルボール」を頭からかぶり、ぶつかり合う。巨人同士の相撲、「鬼相撲」と名付けたゲームでは先に相手を倒した方が勝ちだ。

Hover Crosse

「キャリオット」は電動ホイールを手綱のように操りながら走り回る現代版の古代戦車。デモでは操縦者は車輪付きの板に座っていたが、乗り方は試行錯誤中だという。「Hover Crosse」では、電動スケートボードのような装置に乗り、1人がボールをポール上の皿に放り込み、もう1人がこれを防御する。攻守を入れ替え得点を数える。

イラスト

イラストも展示された。そのひとつ「Surf Soccer」(作者:H.H)では、波に乗って激しく変化するフィールドで、アクロバティックなサッカーを楽しんでいる。宙に浮くことのできる「ホバーボール」を操りゴールで得た点数を競うのは「ホバー・シューター」(作者:M.H)。特殊な装置を付けて森の中を飛びながらチャンバラするのは「スポーツチャンバラ」(作者:かぁきの)。

競技のイラスト、Surf Soccer(左)、ホバー・シューター(中央)、スポーツチャンバラ(右)

また、特殊なスーツを着て酸素ボンベやシュノーケルを使わなくても水中で呼吸ができるスポーツ「水中ドッジボール」、装着している手袋が雪製造機になる「雪合戦」、周囲を知るためと仲間同士のコミュニケーションを図る2種類の超音波を使った「ブラインドサッカー」も展示された。

7月に行われた「アイディアソン」では148ものアイディアが生まれたという。このうちどれが20年に予定する超人スポーツ5種競技の国際大会に選ばれるか注目したい。

文・杉本 等(編集部)、写真・大谷 清英(制作部)
カバー写真=「Bubble Jumper」の「鬼相撲」で対戦するデモンストレーター

  • [2015.10.29]
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