日本の天気予報、140周年

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2014年夏は、太平洋赤道域の中央部から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなるエルニーニョ現象が発生すると予測され、東日本地域の冷夏などが心配されている。世界各地でも、毎年のように異常気象による災害や被害が続発している。それだけに、日常生活において「天気予報」は欠かせなくなっているが、日本の気象観測が開始されたのは1875(明治8)年6月。今年で、140年を迎え、6月1日は現在、観測開始を記念した「気象記念日」となっている。

最初の気象台設置は、東京・虎ノ門

明治初期の中央気象台(写真提供=気象庁)

観測用の気象台が設置された場所は、現在の東京都港区虎ノ門のホテルオークラ付近(旧赤坂葵町)にあった旧内務省地理寮構内だった。建設に携わったのは、明治政府の依頼を受けた英国の測量技師2人で、気象台の建設開始から観測開始まで約5年かかっている。しかし、観測機器が置かれた場所は急傾斜地に囲まれた場所で、今日では観測所に選ばれないような場所であったとされる。

東京気象台で初めて天気図が作成されたのは、1883(明治16)年3月1日で、毎日、印刷配布され、その翌年には全国の天気予報が発表されるようになった。

ちなみに131年前の最初の天気予報の予報文は、「全国一般、風ノ向キハ定マリ無シ。天気ハ変ワリ易シ。但シ雨天勝チ」というものだった。これでは、漠然としてあまりあてにすることはできないものだったが、初期の頃の天気図は観測点が少なかっただけにやむを得ないものだったといえよう。

大正10年ころの中央気象台本館(写真左)。1940年、雷災により中央気象台大手町庁舎全焼(写真右)ともに提供=気象庁

降水的中率は「85%程度」

天気予報で一番気になるが雨の予報。降水確率のことだが、「一定時間内に,1ミリ以上の雨が降る確率」を示している。ただし、降水については、断続的に降るか、連続的に降るかは分けていない。

気象庁庁舎敷地内にある大手町露場(写真提供=気象庁)

その的中率だが、気象庁が2013年に発表した資料によると、「降水の有無」が的中した率は,全国平均85%程度となっている。この20年で5%程度向上しているという。

毎朝のテレビや新聞の天気予報では紹介されないが,気象庁のウェブサイトには降水についての週間予報が出されている。当日の天気予報から後の5日間の降雨の有無について,「A・B・C」の三段階での予測だが、3日先以降の予報は不確実性が高まるため、アンサンブル予報で予測している。また,1か月予報や3か月予報では予報の不確実性のため断定的な発表は避け,「平年並みになる」「低くなる」「高くなる」といった状況をパーセントで発表している。

掲載したグラフは、過去29年間の東京地方の「予報精度」で、次の更新は2015年1月30日頃の予定となっている。

東京の平均気温上昇率は、世界平均の3倍

また、地球温暖化やその影響と思われる異常気象への関心は高いが、気象庁・気象研究所の山本哲氏のレポートによると、「東京」観測点における年平均気温(1981~2010年平均値基準)は、世界平均の3倍以上の上昇率になっているという。その要因については「都市化」によるものだとしている。(注=2013年11月20日の日本気象学会秋季大会での山本氏の報告による)

過去29年間の予報精度(東京地方)