錦織圭「5年以内に世界1位に」

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男子テニスで、自己最高の世界5位で今季を終了した錦織圭選手(24)が18日、東京・内幸町の日本記者クラブで帰国会見し、「今年は一番飛躍できた年で、充実した1年だった」と振り返る一方、「当面はグランドスラム(4大大会)優勝を目指す。5年以内には世界1位になりたい」と抱負を語った。一問一答は次の通り。

11月18日、東京都内で記者会見に応じる錦織圭(提供・時事)

——今年を振り返ると

錦織 世界ランキングが昨年末の17位から今季末で5位に上がった。トップテン入りが今年の目標だったので、それを大きく超えて達成できたのは嬉しい。後半はどんどん結果が出てきて、自信もついた。

——今年は何が一番変わったのか

錦織 新しく、マイケル・チャン・コーチがついて自分のテニスが良くなったことが一番。思った以上に攻撃的になった。前に出ることを強く意識させられ、自分が強くなった。

——テニスが変わるターニングポイントはどこだったか

錦織 今年1月の全豪オープンでの世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)戦。結果的にストレート負けしたものの、集中力が最後まで切れずナダルを追い込める場面もずいぶんあり、非常に充実感を感じた。自分のテニスが変わってくるのを感じた。負けながらも自信を持てた。あの試合が自分のテニスが変わるきっかけになった。

——一番思い出に残っている試合と大会は

錦織 一番は目標にしていた全米で決勝に残れたこと。ベストマッチは、全米の準決勝で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に勝てたこと。

——全米オープンで8強入りを果たした際、「勝てない相手はいない」と発言したことの真意と背景は

錦織 意識して言ったわけではないが、反響が大きくてびっくりした。これまでは試合に入る前に既に負けていた。メンタル的に強くならないとトップには行けない。自分を追い込むために言った言葉だ。ジョコビッチ戦前にも「自分を信じろ、絶対に勝てる」とコーチに5回も言われ、強い気持ちで試合に臨めた。

——欧米選手との体格の差については

錦織 自分は欧米選手と並ぶと子どものように見えるが、背が低いことを悔やんだことは一度もない。スピードや技術などのプレイスタイルで、パワーを補うことができる。背の低さは日本人が戦っていく上で、ウィークポイントだと思う必要はない。

——アジアのテニスの現状について

錦織 ツアーの中心は欧州で、アジアから遠く離れている。目指せる選手が近くにいないのが最大の問題だ。日本には良い施設や指導者もいるので、日本のテニスが強くなることで、アジアの力も底が上がる。そのためにもまずは自分が頑張りたい。

カバー写真=2014年1月の全豪オープンテニスで、錦織圭(中央)とマイケル・チャン・コーチ(提供・時事)