北朝鮮ミサイル、日本上空通過し太平洋上に落下

社会

発射直後、警報システムで避難呼びかけ

29日午前5時58分ごろ、北朝鮮が同国西岸から北東に向かって予告なしに弾道ミサイルを発射。日本政府、防衛省によると、ミサイルは日本の上空を通過し、北海道の襟裳岬東方約1180キロの太平洋上に落下した。国内や航空機、船舶などに直接の被害はなかった。

政府はミサイルの発射直後、全国瞬時警報システム(Jアラート)を発出。北海道や東北、北関東など12道府県の住民に避難を呼びかけた。

防衛省は、発射されたミサイルは「中距離弾道ミサイルの可能性」があるとしている。安倍晋三首相は記者団に対し「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙はこれまでにない深刻かつ重大な脅威」と述べ、既に北朝鮮に抗議したことを明らかにした。

日米首脳が電話会談

この事態を受け、安倍首相はトランプ米大統領と電話で会談。北朝鮮に対する圧力強化で「日米は完全に一致した」(首相)という。

北朝鮮は7月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)2発を相次いで発射。8月に入り、グアム島周辺へのミサイル発射も一時ほのめかすなど、挑発の動きを強めている。

北朝鮮の弾道ミサイルをめぐる最近の動き

7月4日 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の試験発射に成功と発表。ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下
7月6日 日米韓の首脳がドイツで会談
7月29日 北朝鮮が「火星14」の2回目の発射実験。日本海に向けて発射し、北海道西方沖のEEZに落下。
8月5日 国連安保理が北朝鮮に対する制裁決議を全会一致で採択
8月9日 北朝鮮が「グアム周辺」へのミサイル発射をほのめかす
8月12日 防衛省・自衛隊が中四国4県の陸自駐屯地に地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」を展開
8月21日 米韓合同演習始まる
8月26日 北朝鮮が短距離ミサイル3発を日本海に向けて発射
8月29日 北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射し、北海道・襟裳岬東方の太平洋上に落下。防衛省は「中距離弾道ミサイルの可能性」と言及。
全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動

(nippon.com編集部作成)

バナー写真:「北朝鮮が弾道ミサイル発射」のテレビニュース画面に目をやる東京の歩行者=2017年8月29日朝(ロイター/アフロ)

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