[ニュース]三島由紀夫の肉声テープ発見=自殺9カ月前、「死が肉体の中に」
[2017.01.13] 他の言語で読む : ENGLISH | ESPAÑOL | العربية | Русский |

作家の三島由紀夫(1925〜70年)が「自決」する約9カ月前の肉声を録音した未発表テープが、東京のTBS社内で発見された。同社が12日発表した。自身の死を予感させる発言や自作の「欠点」を語る場面など、晩年の作家を理解する上で貴重な資料となりそうだ。

「楯の会」会員4人とともに乱入した東京・市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部のバルコニーで演説する三島由紀夫=1970年11月25日(時事)

録音は英国の翻訳家ジョン・ベスター氏との日本語対談で約1時間20分。発言内容から70年2月19日ごろの収録とみられる。三島は同年11月25日、陸上自衛隊市ケ谷駐屯地に侵入し、バルコニーで演説後、割腹自殺した。

発表によると、録音には「死が肉体の外から中に入ってきた気がする」「今の日本じゃ、言葉を正すこと以外に道はないんだろうと思い詰めている」など事件を予感させる発言が収められている。

また「僕の文学の欠点は、小説の構成が劇的過ぎること。油絵的に文章をみんな塗っちゃう。日本的な余白がある絵が嫌いなんです」と率直に自己批評。憲法問題などで持論を語る場面もある。

テープは「自決前の思想」とタイトルが記され、「放送禁止」扱いで保管。存在は社内でもほとんど知られていなかった。

三島由紀夫文学館特別研究員の山中剛史氏は「録音は具体的な自決への行動を構想し始めたころのもの。自らの文学の欠陥を油彩画に例えながら語ったことはかつて知られていない」と話している。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.01.13]
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