[ニュース]天皇退位「一代限り」妥当=恒久制度化に課題列挙−有識者会議が論点整理公表
[2017.01.24] 他の言語で読む : ENGLISH |

天皇陛下の退位をめぐる政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長・今井敬経団連名誉会長)は23日、首相官邸で9回目の会合を開き、「今後の検討に向けた論点の整理」を公表した。焦点の退位を認める場合の方法について、特定の結論は明示しなかったものの、恒久制度化は課題が多く、今の陛下に限ることが妥当との立場をにじませた。

政府が検討する一代限りの特例法での対応に沿う内容で、安倍晋三首相は24日、衆参両院の正副議長に会い、論点整理の内容を報告。正副議長が直ちに各党代表に報告し、3月上中旬の取りまとめを目指した論議が本格化する。

23日の会合には首相も出席。今井氏から論点整理の提示を受け、「この問題は国の基本、長い歴史とこれからの未来にかけての極めて重い課題だ」と強調した。今井氏はこの後の記者会見で「論点整理により国民の間で理解が深まることを期待している」と述べた。

論点整理は、有識者会議での議論や昨年11月に実施した専門家ヒアリングの結果を踏まえ、退位やその制度化の是非など論点ごとに「積極的に進めるべきとの意見」と「課題」を併記。恒久制度化について、「高齢を要件とすれば恣意(しい)的な退位を避け、退位の客観性を確保することができる」など10の積極的意見を記載したのに対し、課題として「将来の状況を、社会情勢の異なる今の時代に想定して規定すべきでない」「天皇の意思に基づく退位を可能とすれば、憲法が禁止している国政に関する権能を天皇に与えたことになる」など23件を列挙した。

一代限りの退位については、「(必要に応じ)国会で判断することが国民の意思を最も的確に反映する」などの積極的意見を四つ、「時の政権による恣意的な運用も可能になる」など課題を三つ載せるのにとどめ、恒久制度化の問題を際立たせることに重心を置いた。皇室典範の改正や特例法の制定など立法形式の是非には踏み込まなかった。

摂政制度に関しては「象徴や権威の二重性の問題が生じる」など否定的な意見を重点的に記した。

有識者会議は2月13日の次回会合以降、退位後の呼称や役割などについて改めて専門家のヒアリングを行うなどして議論を続ける。最終提言は国会における意見集約を反映させるため、4月ごろの公表を想定している。政府はこれを受け、今の陛下に限り退位を認める特例法案を5月の大型連休前後に国会に提出したい考えだ。 

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2017.01.24]
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