【Photos】ニッポン 川紀行

大西 成明 (撮影)【Profile】

[2011.11.09] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية | Русский |
日本列島には大小さまざまな河川が流れ、潤いのある水の風景を形成してきた。北海道から沖縄まで、ニッポンの川が見せるさまざまな表情を紹介しよう。

主に大きな4つの島からなる日本列島は73%を山地が占める。最も大きな本州の中央部は背骨のように3000m級の山々が貫いている。こうした国土に1万4000本の一級河川(国土交通省管理)が流れている。

これらの川は急流が多く、長さも短い。日本で最も長い信濃川(367km)でも、世界最長のナイル川(6690km)の18分の1に過ぎない。明治初期に来日して当時の先進的な治水技術を伝え、日本の「砂防の父」と呼ばれるオランダ人技師ヨハネス・デ・レーケ(1842-1913)が、日本の川を見て「これは川ではない、滝だ」と驚愕したというエピソードは有名だ。

このように急峻な地形が多く平地の面積が限られた日本では、河口部の平野に多くの人々が集まり営みを続けてきた。川は人々の暮らしを潤すと同時に、山間部に大雨が降るとしばしば氾濫して平野部を襲った。そのため日本人は、古来より川の変化を見つめることが日常の一部となり、川への感謝と畏怖(いふ)の念を抱きながら暮らしてきた。治水の技術が進み、大規模な水害が減少した現代においても、日本人の川への思いは変わらずに残っている。

ニューヨークADC金賞など数々の受賞経験がある写真家の大西成明は、1988年から約20年間、日本全国の川を撮影してきた。レンズを向けた河川は、北海道から沖縄まで230本にのぼる。

「川にはそれぞれの顔がある」と大西は言う。

「源流はどの川も似ているが、渓谷を刻み、平野を潤し、海に注ぐ最下流まで来てみると、それぞれ不思議なほどに異なってくる。川に人の人生を重ね合わせることもできるし、もっと大きな生命の流れを感じとることもできる」

ここで紹介するのはそうした彼の作品のほんの一部だ。しかし、自然の恵みをもたらし、地域文化を育んできた河川が見せる四季折々の表情に触れることができるはずだ。 

さあ、ニッポンの川を巡る旅に出かけよう!

map河川データ参考資料:国土交通省河川局「日本の川」

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  • [2011.11.09]

写真家。東京造形大学教授。「生老病死」をテーマにした写真作品の制作により、ニューヨークADC金賞、講談社出版文化賞、林忠彦賞、早稲田ジャーナリズム大賞などを受賞。2004年に約20年にわたり撮り続けてきた川の作品を『日本の川100』(ピエ・ブックス)として発表した。

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