【Photos】 九州デザイン列車の旅

川井 聡 (撮影)【Profile】

[2011.10.03] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية | Русский |
九州地方には、九州新幹線をはじめ、個性豊かなデザイン列車が数多く走る。オリジナリティ溢れるデザイン列車たちは、旅する者の心をいつもウキウキさせてくれる。さあ、デザイン列車の旅に出かけよう!


水戸岡 鋭治
MITOOKA Eiji

家具デザイナーとしてスタートした後、大阪とイタリアでデザインの基本を学び独立。1988年、福岡市のリゾートホテルの内装をデザインしたことから、JR九州の車両デザインに関わることになる。九州新幹線をはじめ、JR九州のほぼ全ての車両デザインを手がける。鉄道関連の国際賞であるブルネル賞の最優秀賞を4回受賞。1947年生まれ。

九州を走る列車に乗るために九州に出かける人が増えている。
列車は目的地に向かうために乗るものだが、列車に乗ること自体が目的になるほど、九州を走る列車たちは魅力的だ。

なぜ、九州の列車は人々を魅了するのか?
それは、水戸岡鋭治によってデザインされたものだからだ。
日本の交通には “3時間の壁”があるといわれる。乗車時間が3時間を超える場合、多くの人が列車ではなく航空機を選ぶのだ。
だから、水戸岡が目指したのは、どんなに時間がかかっても、乗客が利用したくなる車両だった。

日本の鉄道では、北陸トンネル火災事故(1972年)以後、車両に木材を使うことはタブーだった。家具デザイナーでもある水戸岡は、木を生かした列車のないことが信じられなかった。そこで、木材にさまざまな難燃化加工を施し、温もりのある客室空間を実現してみせた。金箔や西陣織、久留米絣などの伝統素材を内装に大胆に取り入れたことも画期的だった。
水戸岡は、鉄道の常識では考えられなかった新機軸を次々に打ち出し、列車に乗ることの喜びを演出した。

「僕は鉄道のことは素人です」と水戸岡は言う。
「素人だからこそ、既成概念にない列車を考え出すことができたのだと思います。デザインにとって形や色はそれほど重要ではありません。乗客やそこで働く人々が心地よく過ごせる空間を提供することが大切です。上質なサービスは上質なデザインから生まれます。器だけでは、決して心地よさは生まれてきません」

九州のデザイン列車でしか味わえない旅に出てみませんか。

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  • [2011.10.03]

鉄道写真家。東南アジア、中南米、ヨーロッパなどでそこに暮らす人々の営みを追い続ける。国内はもとより、アメリカ、中国、カンボジアなどで写真展を多数開催している。

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