【360°&ギガピクセル】雪の世界遺産 白川郷

染瀬 直人 (撮影)【Profile】

[2012.03.09] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية | Русский |
雪景色の中に独特の景観を作り出す合掌造り集落「世界遺産 白川郷」。日本人なら誰もが郷愁に誘われる田園風景は、冬に白い雪をまとって美しい姿を見せる。360°パノラマと高解像度ギガピクセルイメージで白川郷の魅力を細部まで紹介する。

白川郷は岐阜県最北部、白山の麓の庄川沿いに位置する。茅葺(かやぶき)屋根が連なる合掌造り集落は、日本古来の田園風景を残す美しい地域だ。

白川郷のある山岳地域は日本でも有数の豪雪地帯としても知られ、積雪は2メートルにも及ぶ。茅葺屋根を急傾斜にした合掌造り家屋は、雪が積もらないための工夫だ。かつては交通経路が雪で寸断され“陸の孤島”と化したが、そうした隔絶された環境の中で、独自の文化が発展して保存されたと言われている。

山間奥地のため農地は狭小で、江戸時代には屋内での養蚕業や火薬原料の生産などが盛んになり、屋根裏を活用するために家屋を3~4層構造へと大型化した。

合掌造りは茅葺屋根には珍しい、本を伏せたような山形の切妻(きりづま)造りとなっている。開口部には窓が配置されて、養蚕を行う屋根裏部屋へ風と日光を取り込める構造になっている。

日本に長く滞在したドイツ人建築家のブルーノ・タウト氏は1935年に白川郷を訪れ、「合掌造り家屋は、建築学上合理的であり、かつ論理的である」と高く評価し、白川郷の名は世界に広まった。

1957年から始まった御母衣(みぼろ)ダムの建設で、庄川沿いの多くの合掌造り家屋が立ち退きを余儀なくされ、白川郷の4集落が水没した。さらに、小集落の集団離村で合掌家屋は都会の料亭などに転売されたり、火災によって消失するなど激減した。その中で、ダム建設用地に入らなかった村最大の荻町(おぎまち)集落は、伝統的な合掌造り家屋を守ろうと立ち上がった。「売らない」「貸さない」「壊さない」の3原則を掲げた「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」を設立されたのが1971年。その5年後の1976年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、1995年には「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、日本では6件目のユネスコの世界遺産に登録された。

★ギガピクセル・イメージとは
デジタルカメラの画像50枚以上(多いものでは1000枚以上)を合体させて、1枚の画像を作り上げる表現手法。総画素数が10億を超えるため、「ギガピクセル・イメージ(写真)」と呼ばれている。一つのアングルを何十分割もして望遠レンズで撮影するため、パッと見は遠景の写真だが、高倍率ズームしてもディテールがはっきりと描かれるのが特徴。

360°パノラマの楽しみ方四季それぞれに美しい姿を見せる白川郷だが、今回は観光客が最も集まる冬のライトアップ期間(2月)に訪れ、艶やかに雪化粧した合掌集落を撮影。さらに今回は、ギガピクセル・イメージを駆使して白川郷の細部まで浮き彫りにした。ライトアップした白川郷を城山展望台から見下ろすと静寂を感じさせる田舎町の雪の夜といった雰囲気だが、村のメインストリートにズームしていくと沢山の観光客で賑わっていることに気付く。
美しい自然と伝統的な合掌造りを大切に保存しながらも、観光地として発展して多くの人に愛されている白川郷。その両面をギガピクセル・イメージを使って一枚の写真で表現した。

【撮影スポット】
(1) 城山展望台からの夜景(ギガピクセル)
(2) 明善寺(ギガピクセル)
(3) 明善寺付近(360°パノラマ)
(4) 和田家 内部(360°パノラマ)
(5) 合掌造り民家園(360°パノラマ)
(6) 神田家付近(360°パノラマ)

撮影協力=白川郷観光協会

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  • [2012.03.09]

日本大学芸術学部写真学科卒。写真家、映像作家、360°VRコンテンツ・クリエイター。2014年ソニーイメージングギャラリー銀座にて、作品展「TOKYO VIRTUAL REALITY」を開催。360度作品や、シネマグラフ、タイムラプス、ギガピクセルイメージ作品を発表。VR未来塾主宰。360°動画の制作ワークショップなどを開催。Kolor GoPro社認定エキスパート、Autopano Video Pro公認トレーナー。

website:http://www.naotosomese.com

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