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児童虐待被害、最多の1394人—警察庁 : 児童相談所への通告も急増

社会

虐待による悲惨な事件が後を絶たない。2018年1年間で警察が「事件」として摘発した件数は1380件、被害に遭った子どもは1394任で、いずれも過去最多だった。

警察庁のまとめによると、全国の警察が児童虐待の疑いがあるとして2018年の1年間に児童相談所に通告した子どもの数は8万252件で、統計を取り始めた2014年以来、14年連続の増加。このうち、「事件」として摘発したのは1380件に上り、被害に遭った子どもは1394人(うち死亡36人)だった。いずれも前年より約2割増えて、過去最多だった。

摘発の内訳は、「身体的虐待」が1095件で全体の8割を占め、以下、性的虐待226件、心理的虐待35件、ネグレクト(育児放棄)24件だった。性的虐待の被害者はほとんどが女児だった。摘発された人数は1419人で、このうち、実父が43.8%、実母が24.8%、養父・継父が18.7%。

摘発が右肩上がりで増加している背景には、児童虐待に対する社会的な関心が高まり、近隣住民らからの通報が増えていることが影響しているとみられる。それでも、19年に入ってからも、父親から虐待を受けた千葉県野田市の小学4年生の女児が死亡するなど、悲惨な事件は後を絶たない。

児童相談所が状況確認や保護のために家庭訪問しても、両親が子どもを引き渡すことを拒否したり、不在と偽るケースも多いという。このため、全国の警察では、児童相談所からの要請に応じて、家庭訪問に同行したり、警察官OBを児童相談所に配置するなどの対応を強化している。また、政府は19年通常国会で、児童虐待防止法に親による子どもへの体罰禁止を明記するなど、関連法の改正を目指している。

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