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小学生の読書量30年で3分の1に : テレビさえ見ないスマホ中毒?

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少子高齢化が進み、高齢層にとって心地よい政策に偏りがちな「シルバーデモクラシーの時代」と言われる。ただでさえ、子どもの声は政治に届きづらいというのに、本も読まず、テレビも見ず、スマホでゲームばっかりしているうちに、上の世代に全部食いつぶされちゃうよ! 

学研教育総合研究所が小学生とその保護者1200組(各学年200組、男女各100組)を対象に実施した調査で、小学生の読書量が激減していることが明らかになった。

1カ月に読む本の冊数は全学年平均で3.1冊。学年別では1年生の3.8冊が最も多く、最低は5年生の2.3冊だった。学年が上がるにつれて読書量が減少する傾向にあり4~6年生の約3割は1カ月に1冊も本を読まないと回答している。

30年前の1989年調査では、小学生の1カ月の読書量は全学年平均9.1冊だったので、読書冊数が3分の1にまで減少したことになる。89年の調査では、2019年調査とは反対に、3年生以上の読書量が多く、月に平均10冊以上の本を読んでいた。

小学生の1日のテレビ視聴時間はこの30年間で約半分~6割に減少していることから、テレビが読書離れの原因ではない。また、帰宅後の遊び時間は2019年の方がやや長くなっているが、それでも、読書の時間がなくなるほどではない。

一方、「自由に使える通信機器」調査で「通信機器を使っている」と答えたのは、全体の77%にあたる926人だった。利用目的ごとに費やす1日の時間を尋ねたところ、「ゲームをする」(利用割合76.9%)に1日平均45分、「動画の閲覧」(利用割合78.2%)に1日平均44分だった。

「デジタルネイティブ世代の小学生は、読書や勉強もスマホを活用しているのか?」と思いきや、「活字の本を電子書籍で読む」と答えたのは18.1%に過ぎず、1日の平均利用時間もわずか6分だった。スマホでゲームとYouTubeにハマり、読書もテレビもそっちのけというのが、今の小学生なのか…。

 バナー写真 : PIXTA

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