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日本の木材輸出:近年は増加傾向 2020年は前年比3%増の357億円

経済・ビジネス

林野庁が公表した2020年度の森林・林業白書によると、20年の木材輸出額は前年比3%増の357億円となった。

この数字は、41年ぶりに350億円を突破した2018年以来の高水準。中国の木材需要の増加や、韓国での内装材用ヒノキの人気の高まりなどを背景に、13年度以降の増加傾向を維持している。

品目別にみると、丸太が163億円(前年比11%増)、製材が68億円(同13%増)、合板等が58億円(11%減)となっており、この3品目で輸出額の8割を占めている。特に丸太の輸出額は全体の5割を占め、うち中国、韓国、台湾向けのシェアが97%におよんでいる。

輸出先の国・地域をみると、中国が170億円で最も多く、以下、フィリピンが65億円、米国が38億円、韓国が30億円、台湾20億円の順となっている。特に中国、米国向けでは、梱包材や土木用材、フェンス用材として使用されるスギが好調だった。

日本国内の木材市場は、少子化に伴う人口減により規模が縮小傾向にある。一方で海外市場は、新興国の経済成長や人口増加に伴い規模が拡大している。このため、政府は中国や米国、韓国、台湾を軸とした世界市場の獲得を重視し、日本式木材建造物の普及による輸出促進や高耐久木材の販路拡大、日本産木材製品のブランド化に取り組んでいる。

2019年の日本の木材輸入量は前年比2.6%減の5092万立方メートルで、うち製材品、木材チップ、合板などの木材製品の輸入量は、3.6%減の4335万立方メートル。国産材供給量は2.6%増の3099万立方メートルだった。木材自給率は前年比1.2ポイント増の37.8%で、9年連続の上昇となった。

国産材の供給量が近年、増加傾向であるのに対し、輸入量は大きく減少していることから、自給率は過去最低の18.8%だった2002年以降、上昇傾向となっている。

バナー写真:木材と高性能林業機械(PIXTA)

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