特集 ポップカルチャーは世界をめぐる
オタク文化、海外へ
夏の三大オタク・イベント
[2011.10.03] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | FRANÇAIS | ESPAÑOL |

日本のマンガやアニメ、ゲームを中心とする「オタク文化」が世界に広がっている。東京、名古屋、そしてパリ。この夏3都市で開催された「オタク・イベント」を通じ、世界を席巻しつつあるポップカルチャーに迫る。

オタクという言葉が登場したのは80年代前半。いまでこそ日常的に耳にする言葉だが、当時はマンガやアニメの熱狂的、閉鎖的なマニアを指す特殊な響きがあった。本来は二人称として相手を「お宅」と呼び合うアニメファンを揶揄した呼称が、やがて「家」にこもりがちで趣味に没頭するイメージに結びつき、社会適応能力に「不安」がある若者を表す言葉として定着した。

最近では、そんなオタク文化が「日本のコンテンツ産業の未来を担う」とまで言われ、経産省をはじめとする行政機関が、ソフトとしての国際競争力に注目している。2008年10月に秋葉原で行なわれたイベントでは、当時の麻生太郎首相が「オタク礼賛」のメッセージを送ったほどだ。

パリで花開くオタクの祭典

ジャパン・エキスポ会場(パリ郊外ビルパント)。

オタク文化が海外で花開いた顕著な例は、パリ郊外ビルパントで毎年夏に開かれるヨーロッパ最大の日本文化イベント「ジャパン・エキスポ」だろう。現地のオタクが自主的に開催を始めた1999年の入場者は3200人だったが、12回目を迎えた2011年(6月30日~7月3日)は19万2000人を集めるビッグイベントと化した。

フランスでは、80年代から日本アニメが次々と輸入され、地上波テレビで放映され続けてきた。フランス人の30代以下の世代は日本アニメで育ったといっても過言ではなく、そこからマンガへ興味が広がるという、自然な流れが出来上がった。今や、フランスは日本に次ぐマンガ消費国で、「manga」はフランス人の誰もが知る言葉となっている。

フレンチ・オタクのメッカ、ジャパン・エキスポ

ジャパン・エキスポには、中学生から30代を中心とする若い層が、パリ近郊はもちろん、地方や国外からも訪れる。日本のポップカルチャーにのめり込んだファンにとって、最新の情報やアイテム、さらには出会いや交流を得られる特別な場所だからだ。

なぜここへ来るのか? 来場者の声を拾うと——。

「日本の新しい情報がここで全部手に入るから」

「コスプレがしたかったから!」

「皆が好きなことを楽しんでいるこの雰囲気が最高!」

「日本の思想や世界観が好きだから」

「とにかくショッピング!この日のために1年お金を貯めて来たわ!」

「J-popのライブが見られて感動!」

1年間この日を待ちわびていたのがわかる。ジャパン・エキスポはフランスのオタクにとってメッカのような存在だといえる。

  • [2011.10.03]
関連記事
この特集の他の記事
  • 漫画「キャプテン翼」を翻訳したシリア人、カッスーマー・ウバーダ2017年1月から、人気サッカー漫画「キャプテン翼」シリーズの漫画単行本が、アラブ首長国連邦を中心にアラビア語圏で販売を開始した。初版本の一部は、シリア難民の子どもたちに寄付されている。翻訳を担当したのは日本に留学中のシリア人、カッスーマー・ウバーダさん(27)。翻訳の経緯や苦労について話を聞いた。
  • 漫画家・安野モヨコの全仕事を振り返る展覧会「STRIP!」「働きマン」や「さくらん」などで知られる漫画家・安野モヨコ氏の20年超におよぶ作品を展示した「STRIP!」が開催中だ。「これまでの歩みをありのままに晒(さら)す」という意味をタイトルに込めた展覧会だ。
  • オーケストラでよみがえる永井豪アニメの世界漫画家・永井豪氏原作の「デビルマン」「マジンガーZ」「キューティーハニー」などのアニメは、テーマソングが印象的なものばかり。それらの曲をオーケストラが演奏する初のコンサートが開かれる。永井氏本人にアニソンが持つ力とコンサートについて聞いた。
  • OTAKUの祭典—コミックマーケット90近年、来場者数は横ばいだが、それでも50万人以上が来場するコミックマーケット。国内最大、世界でも有数のOTAKUコンベンション。コミケが巨大イベントになるまでの歴史と変貌を振り返ってみた。
  • 30年にわたる勇者たちの冒険を体感!「ドラゴンクエストミュージアム」シリーズ10作品を数える人気ゲームソフト「ドラゴンクエスト」。その発売30年を記念して、「ドラゴンクエストミュージアム」が開催されている。

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告