特集 ポップカルチャーは世界をめぐる
オーケストラでよみがえる永井豪アニメの世界
[2016.09.14] 他の言語で読む : ENGLISH |

漫画家・永井豪氏原作の「デビルマン」「マジンガーZ」「キューティーハニー」などのアニメは、テーマソングが印象的なものばかり。それらの曲をオーケストラが演奏する初のコンサートが開かれる。永井氏本人にアニソンが持つ力とコンサートについて聞いた。

デビルマン、マジンガーZ…テーマソングが交響楽に

9月18日、東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「永井豪×オーケストラ ダイナミックコンサート」が開催される。

永井豪氏といえば、来年デビュー50年を迎える漫画界の巨匠。週刊少年漫画雑誌の「ジャンプ」(集英社)、「マガジン」(講談社)、「サンデー」(小学館)、「チャンピオン」(秋田書店)、「キング」(少年画報社)という人気5誌に同時に連載を持ったことのある唯一の作家で、ヒット作を次々と生み出してきた。71歳になる現在も青年漫画誌「ビッグコミック」(小学館)に「デビルマンサーガ」を連載中だ。作品の多くはアニメ化され、こちらも大ヒットが続いた。

そんな永井豪アニメ作品のテーマソングをオーケストラが演奏するのが今回のコンサート。「デビルマン」「マジンガーZ」はもちろんのこと、「キューティーハニー」「グレートマジンガー」「UFOロボ グレンダイザー」「ゲッターロボ」「ゲッターロボG」「ドロロンえん魔くん」など、アニメをリアルタイムで見ていた年代の人々なら絶対に口ずさめ、再放送や映画化作品を通じて若い世代にも知られる名曲の数々が、交響楽となってよみがえる。

コンサートのポスターに描かれた永井豪作品のキャラクターたち。左上からマジンガーZ、デビルマン、左下からキューティーハニー、ドロロンえん魔くん、グレンダイザー

「曲を聴けば映像が頭に浮かぶ」アニソンの力

コンサートを前にニッポンドットコムなどのインタビューに応じた永井氏は、アニメソングの作品に対する影響力の強さを次のように語った。

「作品の世界観をはっきりと表現してくれるというのが一番大きいと思います。テーマソングがかかるだけで、どういう作品か伝わってきますので、それがピタッと表現された曲というのは、作品の印象とお互い影響を与えながら、ずっと残っていくのではないかと思います。曲を聴けばその作品の映像が頭に浮かぶ、そういう力を持った曲が残っていく。ホントに自分のどの作品の曲も、そうなってくれている。その曲をいまだにファンが大事にしてくれているのも、うれしいです」

一番好きな曲は何かと永井氏に聞くと、「僕は作品によって雰囲気がコロコロと変わるので、曲もいろいろなバリエーションがあって、比べるのはちょっと難しいですよね。同じ作家がこんなに違う作品を描いているか、と言われるくらいですから」と笑って答えた。

本格的な音楽を凝ったビジュアルで演出

コンサートは、東京ニューシティ管弦楽団がアニメや原画の映像をバックに演奏。「マジンガーZ」の主題歌を担当したアニソン歌手のパイオニア、水木一郎さんがスペシャルゲストとして登場する。高さ2メートルのマジンガーZとグレンダイザーのフィギュアが設置される舞台では、7人の「キューティーダンサーズ」によるダンス、4人の「デビルマンアクションズ」の殺陣を交えたパフォーマンスもあり、盛りだくさんの90分だ。永井氏が率いるプロダクションの名が入ったコンサートは、文字通りダイナミックなものになりそう。

永井氏の事務所に飾られているイタリア国立ベネチア大学「マエストロ・永井豪講演会」(2007年)のポスター。今年4月にはローマで開催された漫画・アニメの祭典「ロミックス」に招かれ、ゴールデンロミックス賞を授与された

オーケストラを指揮するのは和田一樹氏。永井作品をこよなく愛し、「デビルマン」は人生のバイブルとあって、気合十分だ。

「大好きな『デビルマン』はオーケストレーションもやりやすかったですね。激しいリズムの『キューティーハニー』は苦労しました。永井先生のアニメ作品の主題歌は名曲が多いので、オリジナルのイメージを壊さないように注意して編曲しました。合唱を交えたり、劇場にあるパイプオルガンを使ったりもします。エンディングテーマの演奏も、もちろんやりますよ!」

永井豪アニメ作品は海外でも高い人気を誇る。フランス、イタリア、スペイン、中南米、中東を中心に「マジンガー」シリーズ、「グレンダイザー」などがヒットした。永井氏は「このコンサートを海外に持っていけたら面白い」と話しており、今回のキャッチフレーズも「世界に発信」。テーマソングは独自に作られた国がある一方、日本版を基にした曲が放送された国もある。いずれ世界の永井豪アニソンを集めたコンサートが開かれることにも期待したい。

今回は永井作品のアニソンだけで構成される初のオーケストラコンサートとなる。永井氏は、本格的な演奏をビジュアル面でも凝った演出で楽しめることに、「もう最高。ダンスもあると聞いて、『それはいい!』と思いました。そういう形の演奏会は、なかなかない」と太鼓判を押す。

「自分のアニメの世界を、さらなるイメージの広がりを持ってファンの方に届けることができるのは無上の喜びなので、ぜひ多くの方々に聴きに来てもらいたいと思います」

コンサート開催概要

公演名:永井豪×オーケストラ ダイナミックコンサート~映像とオーケストラサウンドで蘇る永井豪の世界~
指揮:和田一樹  演奏:東京ニューシティ管弦楽団  ゲスト:水木一郎
開催日:2016年9月18日(日)15:00~/19:00~(2回公演)
会場:東京芸術劇場コンサートホール
チケット料金:S席7000円 A席6500円 B席5000円(※全席指定、税込み)
問い合わせ:キョードー東京 0570-550-799
ウェブサイト:http://www.kyodotokyo.com/go-nagai201609

バナー写真:永井豪氏(中央)とコンサートに出演する「キューティーダンサーズ」の1人、佐藤郁美さん
取材・文=吉村 慎一
撮影=ニッポンドットコム編集部

この記事につけられたタグ:
  • [2016.09.14]
関連記事
この特集の他の記事

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告