日本のロボットは人に寄り添う

みんなが知ってる“あのロボット”ギャラリー

科学 技術

人型ロボットについて、企業も負けず劣らず熱心に研究・開発を続けている。人を助ける「道具」から、人から愛される「仲間」へ。学術機関や企業の “顔”としても活躍している人気ロボットたちを紹介する。

人ごみの中も平然と歩く「ASIMO」(本田技研工業)

(写真・動画:本田技研工業提供)

ASIMOは、人々の生活空間の中で活躍することを目指して開発された。そのため、威圧感を与えず、人間の家具や道具を使いこなせるような大きさに設計されている。2000年の誕生以来、ASIMOは「できること」の範囲を順に広げているが、2011年発表の新型はついに、人の操作を介在させずに、各種センサーからの入力情報を総合し、自分の判断で動くことができるようになった。

ステージから降り、人間が行き交う空間で活動する第一歩を踏みだしたASIMO。人ごみの中でも人をよけて歩くことが可能になり、取材に訪れた海外メディアが「中に人間が入っているのでは」と同社に尋ねるシーンもあったという。

スペック

サイズ 身長 130cm
45cm
奥行 34cm
重量 48kg
性能 最大速度 時速9km
稼働時間 40分(歩行時)

 

*ASIMOに会える場所・機会

鈴鹿サーキットランド(三重県鈴鹿市) 、ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町) 、ホンダ青山本社1階のウェルカムプラザ(東京都) 、日本科学未来館(東京都)、カリフォルニアディズニーランド(米国) 。

人の歩く方向を予測してぶつからないように進むASIMO

 

水筒を握り、ふたを開け、紙コップに水を注ぐASIMO

歌って踊れる「未夢(みーむ)(HRP-4C)」(産業技術総合研究所)

(写真・動画:産業技術総合研究所提供)

未夢は、人間と見紛うロボットだ。その姿は、日本人青年女性の平均値(関節の位置や寸法)を参考にして作られている。動きも、モーションキャプチャーで計測した人間の歩行動作や全身動作の情報を基に実現されている。人の声をマイクから拾って認識し、人間とインタラクション(会話)もできる。

極めて人間に近い姿、動き、反応を兼ね備えた未夢の開発目的は、主にエンターテイメント産業への応用だった。2足歩行ヒューマノイドロボットは歩行するだけでは商品価値が乏しく、産業化が難しいとされていたからだ。そこで、ファッションショーなどへの利用も期待できるロボットの開発が望まれた。2009年に誕生した未夢は既に、歌って踊れる姿もショーで披露している。

スペック

サイズ 身長 158cm
重量 43kg(バッテリー含む)
性能 関節数 42個→特に腰の関節は人間と同じように自由に動かせるため、人間のように歩く動作が可能になった。

 

*未夢(みーむ)に会える場所・機会

「今のところ未定です」(産業技術総合研究所)

DIGITAL CONTENT EXPO 2010 で歌と踊りを披露する未夢(You tube 産総研チャンネルより「サイバネティックヒューマンHRP-4C未夢_ダンスデモンストレーション」)

PRに大活躍の「ムラタセイサク君®、ムラタセイコちゃん®」(村田製作所)

(写真・動画:村田製作所提供)

ムラタセイサク君は「エレクトロニクスの可能性と夢を乗せて走る」をコンセプトに、村田製作所の電子部品の性能紹介と技術PRのために開発された。2005年にムラタセイサク君が誕生した後、社内外から広報部に「MURATA BOYはいるのに、MURATA GIRLはいないの?」といった問い合わせがあり、2008年のムラタセイコちゃん誕生につながった。“二人”は誕生日や出身地、趣味といったプロフィールも設定され、村田製作所の技術をPRするキャラクターとして活躍している。ちなみに、セイサク君の夢は「世界一周」、座右の銘は「七転び八起き」。セイコちゃんの好きなことは「公園で一輪車の練習」、夢は「ムラタセイサク君と世界一周」という。

スペック

ムラタセイサク君® ムラタセイコちゃん®
サイズ 身長 50cm 50cm
重量 約5kg 約6kg
性能 運動能力 自転車で走行できる/止まったまま足もつかずにバランスをとることができる/平均台を走行できる 一輪車で走行できる/平均台の上を走行できる
動く部分 首、手、足 首、足
 

*ムラタセイサク君、ムラタセイコちゃんに会える場所・機会

エレクトロニクスの展示会CEATEC JAPAN(千葉県幕張メッセ)、世界最大の消費者向け技術展示会CES(米ネバダ州ラスベガス)。その他、ロボットをテーマにした科学イベントにも参加。
ムラタセイサク君のS字平均台走行
 
ムラタセイコちゃんの平均台走行

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