特集 伝統美のモダニズム “Cool Traditions”
秋空を彩る開運招福の花火
第108回長野えびす講煙火大会
[2013.12.17] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | FRANÇAIS | ESPAÑOL | العربية | Русский |

えびす講の祭礼に伴って行われるため、11月という花火大会としては最も遅い時期に開催される「長野えびす講煙火大会」。全国の花火大会を締めくくる同大会の1日を追った。

花火ファン必見!

日本で最も遅い時期の花火大会として人気を集める第108回長野えびす講煙火大会が11月23日、長野県長野市の犀川河川敷で開催された。今回で108回目という歴史を誇る同大会には、澄み渡った晩秋の夜空に打ち上げられた約1万発の花火を見ようと、全国から約43万人もの観客が訪れた。花火は夏の風物詩だが、晩秋は空気が澄みわたり花火がよりクリアに見えるということで、花火ファン垂涎(すいぜん)の大会だと言われている。

大会のもう一つの見所は、日本の花火界のトップランナーである紅屋青木煙火店の青木昭夫さんの作る花火がふんだんに見られることだ。煙火師(花火師)のスターたちが属する日本煙火芸術協会の会長を務める青木さんは、文字通り“超一流の花火師”として花火ファンからの絶大な支持を集めている。この平成の花火名人の花火が大量に見られるということで、全国から花火関係者たちも集結した。

紅屋青木煙火店の花火に肉迫するのが、地元最大手で全国の花火大会の常連でもある信州煙火工業の藤原信雄さんの花火だ。まさしく火花を散らす夜空の競演と言ってもいいだろう。映像で紹介する花火は、この2人の丹精込めた作品群だ。

同大会は、毎年、長野市の西宮神社のえびす講に合わせて行われている。その昔、商売繁盛や五穀豊穣、開運招福を祈願したえびす講の祭礼は、その時期に商店が大売出しを行い大変な賑わいをみせた。明治32(1899)年に、えびすの神に感謝を捧げるとともにさらなる商売繁盛の願いを込めて、地元の有志たちが花火を打ち上げるようになった。以来、この伝統が現代まで受け継がれている。

さらにじっくりと花火を楽しみたい方はこちらをご覧ください(10分バージョン)。

バナー画像写真=泉谷玄作
協力=長野商工会議所 長野商店会連合会

この記事につけられたタグ:
  • [2013.12.17]
関連記事
この特集の他の記事
  • 加藤卓男:ラスター彩の復元に生涯をささげた陶芸家美濃焼の産地として知られる岐阜県多治見市は、3世紀前に姿を消した伝統陶芸「ペルシャ・ラスター彩」の復興の地でもある。陶芸家の加藤卓男は、20年近くに及ぶ試行錯誤の末、長年の謎だったラスター彩の製法を再現することに成功した。現在は息子の加藤幸兵衛が父の遺志を継ぎ、イランの関係者と密接に協力しながら、その里帰りを目指している。
  • 礼法を現代の生活に生かす:小笠原流継承者、小笠原清基氏に聞く疾走する馬上から矢を放って的を射る「流鏑馬(やぶさめ)」。鎌倉の鶴岡八幡宮でこの伝統神事を守り伝えているのが、弓馬術とともに作法・礼法で知られる小笠原流だ。800年以上続く流派の継承者で、31世宗家の嫡男である小笠原清基(きよもと)氏に流鏑馬の伝承、武家の礼法やその奥義などについて聞いた。
  • 忍者の里「伊賀」と「甲賀」を訪ねる南北朝時代(14世紀)から江戸時代にかけて、日本各地で活躍した忍者。その中でも伊賀と甲賀の忍者は、最強のエリート集団として有名だ。2つの里にある施設を訪ねると、忍者の修行や生活、使った道具が体感できる。
  • 忍者のリアルに迫る映画やアニメに登場するなど、日本のみならず世界中で高い人気を誇る忍者。ところが、その実態は謎に包まれていた。近年の研究でようやくベールが剥がれてきた、忍者の真の姿を紹介する。
  • 大波の彼方へ—北斎の“豊かな晩年”を紹介する大英博物館の特別展『北斎—大波の彼方へ』と題した葛飾北斎の特別展がロンドンの大英博物館で開催されている。北斎が極めて高い創造性を発揮したとされる晩年の30年間に光を当てた特別展の目玉は、大波を描いた『神奈川沖浪裏』。誰でも一度は見覚えのあるこの木版画は、世界で最も多く複製された芸術作品といわれている。北斎が印象派の芸術家やポスト印象派のゴッホを通じて西洋美術に多大な影響を及ぼしてから1世紀以上を経た今、新たな北斎ブームの大波が起こりつつある。

ピックアップ動画

最新の特集

バナーエリア2
  • nippon.comコラム
  • in the news
  • シンポジウム報告