特集 「いざ、日本の祭りへ」(5)さっぽろ雪まつり
雪まつりのもう一つの華「国際雪像コンクール」
[2014.03.20] 他の言語で読む : ENGLISH | 简体字 | 繁體字 | العربية |

「さっぽろ雪まつり」の期間中に開催される「国際雪像コンクール」。世界各国からチームが集い、雪像作りを競い合うという国際色豊かなイベントだ。外国人たちの雪との戦いをライブで見られるとあって観光客の人気を集めている。

間近で見られる外国人の雪像作りが大人気

「国際雪像コンクール」は、国際色を高め国際親善を深めることを目的に1974年にスタートした。初回はカナダ、フランス、大韓民国、南ベトナム(現ベトナム社会主義共和国)、米国、日本の6チームが参加。それぞれの民族カラーを出した個性豊かな雪像が観客の目を楽しませた。コンクールは年々規模を拡大し、第25回には、世界各地から20チーム、80人の選手が参加した。外国人による雪像制作を間近で見られるとあって、「さっぽろ雪まつり」の中でも特に人気の高いイベントに成長した。

2014年は、ハワイ、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、タイ、香港、ポーランドの他、札幌の姉妹都市である大田広域市(大韓民国)とポートランド市(米国)という9つの国と地域が参加。2月4日から7日までの4日間、大通公園11丁目の国際広場で雪像作りを競い合った。

前回優勝のタイチームが力強く宣誓

6カ国を含む9チームが参加した開会式。

2014年2月4日、陸上自衛隊第11音楽隊のブラスバンド演奏で開会式がスタートした。凍てつく寒さにもかかわらず、参加チームは笑顔で入場。星野実行委員長が「大雪と寒波の中での雪像作りです。体に気をつけて頑張ってください」と挨拶。前年度優勝のタイチームが優勝旗を返還したあと、タイチームの代表選手が「正々堂々と闘い、友好の輪を広げることを誓います」と力強く宣誓すると、会場には温かい拍手が広がった。

開会式後、一斉に雪像制作がスタート。全チームとも参加経験があるので、3mほどの四角い雪の塊周囲に足場を組む作業にもスムーズに取りかかった。マイナス5℃という気温にもかかわらずシャベルで豪快に雪を削る選手の額には汗も浮かび、ポートランドの選手などは「暑い!」と半そで姿に。初日から作業時間は10時間にも及んだ。

各国の個性が出た作業過程

突然の雪にも速度をゆるめず作業続ける選手たち。

2日目も朝から作業開始。この冬一番の冷え込みだったが、優勝候補のタイチームは昼過ぎには大まかなディテールが分かるほど、作業を進め余裕の表情。一方韓国チームは巨大な雪の球体が姿を現したが、何ができるかは想像がつかない状況。ポーランドチームも雪の中から女神を掘り出すように丁寧に仕上げていった。

ハワイチームは「仕事で氷像を作っていますが、雪と氷では作り方が異なるので、それも見どころです。雪像のほうが失敗しても直せるし、氷よりも軟らかいから楽」とコメント。寒さも平気と制作に励んだ。

休憩室で暖をとる選手たち。

3日目となると各チーム間に交流の輪が生まれてくる。雪像作りの中で和気あいあいと友情が育まれる。観客が選手と会話できるのもコンクールの楽しみの一つだ。片言の英語ながらも意思疎通ができて笑顔がこぼれるシーンが会場のあちこちで見られた。ニュージーランドチームは作品のモチーフでもあるアメリカンフットボールについて観客と会話を交え、大いに盛り上がった。

 制作最終の4日目。各チームは細部の作り込みに入り、最も遅れていた韓国チームも急ピッチで精巧なデザインを作り上げた。29回目の参加となったマレーシアチームは、真剣なまなざしで4体のテングザルの表情を生き生きと造形。ポーランドチームは「難しいデザインなので作業がきついです」と焦り気味だったが夜まで作業を続行した。タイチームはすでに完成、撤収する余裕を見せていた。

仕上げの細かい作業。

2月8日の早朝、全チームの雪像が完成。できたばかりの雪像は朝日を浴びて輝き、道行く人が思わず足を止めて見入ったり、写真を撮ったりするほどの完成度。「いい作品ができたよ!」と香港チームは満足そうな表情。選手たちは健闘をたたえ合うように、お互いの雪像をバックに写真を撮影し合った。

7丁目会場の大雪像ステージで行われた表彰式には大勢の観客が集まった。力作ぞろいで難航したという審査の結果、優勝は韓国。準優勝は香港。3位は前回優勝のタイ、4位シンガポール、5位マレーシアとなった。優勝旗が韓国チームに手渡された。「とても嬉しいです。皆さんありがとうございました!いろいろな国の人と交流できたのがとても楽しかったです」とコメントに、会場からは惜しみない拍手が送られた。

閉会式。

取材・文=吉田弥生
取材協力・写真提供=さっぽろ雪まつり実行委員会
協力=(株)北海道新聞情報研究所

 

各チームの作品 

優勝「メビウスの地球」姉妹都市・大田広域市(韓国)
Mr. Kim Sung Young / Mr. Kim Jong Pil / Mr. Lim Jung Kyu

準優勝「跳ねる麒麟(キリン)」香港
Mr. Yuen Kam Hung / Mr. Tam Wai Lun / Mr. Ng San Man

3位「水牛は健在」タイ
Mr. Kusol Bunkobsongserm / Mr. Kritsana Wongtes / Mr. Amnoaisak Srisuk

4位「なくしてしまいましょう!」シンガポール
Mr. Loh Tze Joo / Mr. Lim Sang Choon / Mr. Chan Jian Xiong

5位「テングザル」マレーシア
Mr. Yong Chong Ming / Mr. Harum B. Jalil / Mr. Vasan S. Angalan

「ブラックとシルバー」ニュージーランド
Mr. Simon Daly / Mr. Matarahi Skipper / Mr. Sofara Aiono

「丸見えでも…」ハワイ
Mr. Dale Radomski / Mr. Charlie Matsuda / Mr. Norimitsu Wada-Goode

「ネズミが僕のランチを食べてる!」姉妹都市・ポートランド市(米国)
Mr. John Paul Zipprich / Ms. Cheryl Ching / Mr. Michael Kondo

「ポーランドKarkonosza山の谷に水を注ぐ女神」ポーランド
Ms. Maria Misztal / Ms. Joanna Swiech / Ms. Justyna Graf

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