東北地方の農業、漁業と特産物

東北地方の就業別人口を見ると、第一次産業が約48万人、第二次産業が約130万人、第三次産業が約300万人となっている。東北地方で第一次産業に従事する約48万人の人々は、全国の第一次産業従事者の15.6%を占めており、東北地方が日本の農林水産業を支えてきたといえる。

被害が大きい3県の特産物

岩手県・宮城県・福島県の特産物

被災した地方の主な農産物

かつては寒冷な気候の影響で冷害に悩まされることが多かった東北地方の農業。栽培技術の向上、品種改良が進んだ結果、日本の穀倉地帯として全国の食卓を支えるまでに成長した。東北6県の耕地面積は合計87万2500haで、全国の約2割を占めている。

農林水産省によれば、全国のコメの生産量の約3割を東北地方の6県で生産している。県別の生産量ランキングを見ても、福島県が4位、宮城県が6位、岩手県が10位とそれぞれ上位に入っていた。今回、広い範囲に津波被害を受けた宮城県の平野部は国内有数の水田地帯で、現在、塩害対策を進めている。

野菜や果物の栽培も盛んだ。岩手県はりんご生産が全国1位、にんにくが3位、西洋なしが5位。福島県はモモの生産量が全国2位で、20%のシェアを誇るほか、日本なしは3位、キュウリ、アスパラガス、かきなどの生産量も多い。

宮城、岩手の両県は畜産も盛んだ。肉牛では、岩手県の前沢牛や短角牛、宮城県の仙台牛などがブランド牛として知られている。宮城県の牛タン料理は地元の名物として観光客らに人気だ。

日本有数の水産業

東北地方沿岸は、東シナ海から北上してくる暖流の黒潮(日本海流)と、千島列島から南下してくる寒流の親潮(千島海流)がぶつかって潮目を形成。大量に発生するプランクトンを目当てに多くの魚種が集まる世界有数の漁場となっている。

また、岩手県南部から宮城県北部にかけてのリアス式海岸は天然の良港となることから、古くから漁業が盛んで、岩手県には111、宮城県には142の漁港がある。

中でも宮城県の石巻港は水揚げ量全国3位。生カツオの漁獲量は県内の気仙沼港と例年全国トップを争っているほか、たら、さば、するめいか、いわし、さけ等、水揚げされる魚種も豊富だ。気仙沼港は生カツオのほか、フカヒレの産地として世界的にも有名。気仙沼港の津波被害は、フカヒレの消費地である香港でも大きく報じられた。さらに、同県の塩釜港は、マグロ全国2位、メバチマグロ全国1位の漁獲高を誇り「マグロ日本一の港」として町おこしを進めてきた。これらの港は5月までに漁港の一部施設で復旧工事を終え、水揚げが再開されている。

一方、岩手県沖は日本有数のサンマの漁場で、宮古のサンマは特に有名。養殖のホヤやカキ、アワビの生産量も多い。