少子化で変わる日本の学校

社会

日本の学校は、小学校から高校まで合わせて毎年4~500校のペースで廃校になっている。その大きな要因になっているのが少子化だ。学校にこどもたちがあふれかえっていたのは、今は昔。空き教室ばかりが目立つ。人口減少が日本の学校の姿を変化させている。

学校の統廃合で見えてきた地域格差

公立小学校でみてみると、こどもの数は1958年の1340万人をピークに、去年(2011年)は677万人とほぼ半減している。学校数は2万6千校あまりから2万1千校あまりへと20%減ったにすぎないが、このところそのペースが上がっている。学校規模(学級数)別に比較してみると、小規模校が減って、中規模校が増えている。数字からは、小規模校の統廃合が進み、ある程度の規模を持った学校が空き教室を抱えたまま統廃合が進んでいないと読みとれる。

ひと口に学校の統廃合といっても、その様相は地域によってマチマチだ。過疎地では、もともと小規模の学校だったのが、さらにこどもの数が減って統廃合が進んだ。一方、都市近郊では、人口急増期に造成された団地に設置された大規模校にこどもが集まらず、その規模をもてあましている。また、都心では、人口のドーナツ化で地元のこどもたちがいなくなり、各学年1クラスを維持できるかどうかといった悩みを抱えている。名門校とされる学校は、よその地域からの越境入学によってかろうじて統廃合を免れている。

東日本大震災後、学校の役割を再評価

日本は、戦後のベビーブーム世代の就学期が過ぎた1960年代にこどもの急減を経験している。このときは、当時の文部省が統廃合の旗を振り現場の経費削減を求めた。しかし、性急な統廃合を求めたことで地域住民の間にあつれきを生む結果となり、第2次ベビーブームを機に、無理に統廃合を進めるべきではないと姿勢を転じた。あまり財政の論理を振りかざし過ぎると現場の反発を招き、統廃合が進まなくなるという経験をしている。

それなのになぜ統廃合が進み始めたのか。それは、少子化に加え、「平成の大合併」と呼ばれる行政区見直しの影響が強い。財政悪化に悩む自治体が財政効率化の一環としてこの機に統廃合を進めたのだ。過疎地ほど統廃合が進んだのだが、見直しを迫る出来事が起きた。去年の東日本大震災だ。被害の大きかった地方では、学校が避難所になり、地域の防災拠点としての役割が再評価されることとなった。効率性一辺倒で地域の心のよりどころである学校をなくしてよいのか。再び統廃合論争が起き始めている。この先さらに少子化が進むと予測されている中、「おらが学校」としてコミュニティーの中核的役割を担ってきた学校のあり方をどうするのか、改めて議論する必要がありそうだ。

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