サッカーを通じた日本とスペインの新たな文化交流

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バルサユースで活躍する日本人

最近、スペインで活躍する日本人のサッカー選手が目につく。神奈川県出身の小学生、久保建英(くぼ・たけふさ)くんは、2011—2012年のシーズンから、FCバルセロナの下部組織(カンテラ)でプレーし、すでに100ゴール以上を記録している。7歳以上の地元出身者が対象で、外国人は原則13歳以上という同組織に、入団当時彼はわずか9歳。日本人の入団はもちろん初めて。バルサでプレーしたい、と彼が言い出したのは6歳の時。日本でバルサが開催するキャンプでMVPを獲得したのが、バルセロナに渡るきっかけとなった。

一方「なでしこ」も、スペインで負けずに活躍する。マドリードでは、アトレティコの女子サッカーチームで岩倉三恵 (いわくら・みつえ) さん(2012 —2013シーズン)がプレーする。

アルビレックス新潟バルセロナも始動

アルビレックス新潟バルセロナのロゴ。

Jリーグに加盟するアルビレックス新潟の下部機関のアルビレックス新潟シンガポールが創立したアルビレックス新潟バルセロナは、2013年からカタルーニャ州の4部リーグに参加する。「国際的に影響力のある若い日本人を育てたい、世界の舞台で堂々と活躍できる日本人を一人でも多く増やしたい」、と代表の是永大輔(これなが・だいすけ)氏は語る。そのため単なるサッカー選手の養成ではなく、サッカー人、国際人を生み出そうとし、サッカーのトレーニングはもちろん、語学研修、企業研修、取材活動などの幅広いプログラムを用意している。2013年は日本スペイン交流400周年であるが、同事業は、二国間の交流促進事業の一環として登録されている。

アルビレックス新潟バルセロナが2013年9月より参戦する「カタルーニャ州4部リーグ」。

 

日本とスペインの新たな文化交流:スペインリーグへの参入

レアル・マドリード(※1)の公式サイトでは、スペイン語のほかに、英語、アラビア語、インドネシア語と並び、日本語の充実したサイトがある。2013年6月にスペインを訪問された皇太子殿下が、同チームの本拠地、サンティアゴ・ベルナベウサッカー競技場を見学されたことも現地で報道されている。この訪問も、日本人サッカー選手がスペインで活躍する期待も含めたものではないだろうか。

また、日本のサッカー少年アニメ、『キャプテン翼』は、スペインでも人気である。スペインの日刊紙で最大の発行部数を誇るのは、スポーツ紙のマルカ(MARCA)であるが、久保君も、「日本のメッシ」、「大空翼は実在した!」などと現地の報道で絶賛されている。スペインからサッカーを通じ、欧州や中南米に向け日本の存在をアピールすれば、幅広い層に届くのではないか。グローバルな人材を育成しつつ、外国との相互理解を促進する、新たな文化交流に期待したい。

(2013年6月14日 記)

(文中ロゴ、写真提供=アルビレックス新潟バルセロナ)

(※1) ^ 1920年、現国王フアン・カルロス1世の祖父、アルフォンソ13世が名誉会長となったために、「レアル(ロイヤル)」が名称に冠せられている。第二共和国の成立(1931年)により削除されたが、スペイン内戦(1936~1939年)でフランシスコ・フランコ側が勝利すると復活した。1969年に、フランコの後継者として任命された現国王は、サッカーを含むスポーツ全般を好まれる。

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