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台湾人の肥えた舌に「そば」で挑む

大洞 敦史【Profile】

[2018.01.27]

2015年11月から台湾南部の町・台南で、地元育ちの妻と共に日本そばの店「洞蕎麦」を営んでいる。「洞蕎麦」はありがたいことに開店以来多くの方から支持を得ており、インターネット上でも好意的なレビューをたくさんいただいている。テレビにもよく取り上げてもらい、台南市の名店百選にも2年連続で選ばれた。台湾ではラーメンやうどんは人気を集めているが、そばの人気はそれほどでもなかった。その中で、そばを愛する日本人の一人として、日本の伝統食である「そば」を台湾に根付かせるために続けた努力の経緯をみなさんに紹介したい。

台湾人にそばを味わってもらえるように試行錯誤を重ねる

1年目はバイクがやっと通れるほどの細い路地裏に面した小さな庭と井戸のある古民家に店を構え、土日のみ営業、1日60食限定、事前予約制というスタイルで、台湾彰化県産そば粉7割の手打ちそばを提供していた。半年目から十割そばが作れる機械を導入し、手打ちと十割の2本立てにした。価格はどちらもざるそばで120~200元(1元約3.8円)。

客足は安定していたが、より多くの人に気軽にそばを味わっていただくため、16年12月に大通りに面した建物に移転し、スタッフを数名雇い、数量限定と予約制をやめて、毎日営業するようになった。麺は九割そばをメインにし、幅広い層のニーズに応えるため品目を丼物、カレー、天ぷらや唐揚げなど大幅に増やした。

また不定期でそば打ちイベントを行っており、参加者には2~3人1組になって水回し、練り、のし、畳み、切りという一連の工程を体験してもらう他、自分が打ったそばを食べた後でそば茶やそばアイス、そばクッキーなども味わっていただく。合間ごとにそばの栄養価や年越しそばなどの食習慣、そばの歴史や浮世絵に描かれたそばなどさまざまな豆知識も紹介する。最後は沖縄三線でミニライブ。親子向けの回ではとにかく楽しんでもらうことに、大人向けの回ではだしや返しの作り方や応用法なども含めた知識の伝達に力点を置いている。

そば打ちイベント(提供:大洞 敦史)

沖縄三線でミニライブ(提供:大洞 敦史)

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  • [2018.01.27]

1984年東京生まれ。明治大学理工学研究科修士課程修了。2012年台湾台南市へ移住、2015年そば店「洞蕎麦」を開業(台南市永華路一段251号)。著書『台湾環島 南風のスケッチ』(書肆侃侃房)。

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