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歴史に翻弄(ほんろう)された日台航路——「日本アジア航空」の記憶

岡野 翔太【Profile】

[2018.03.31]

日本と台湾を行き来する方は、普段、どの航空会社を利用するだろうか。今は、日本航空(JAL)、全日空(ANA)、中華航空(チャイナエアライン)、エバー航空、キャセイパシフィックにジェットスターなど、フルキャリアから格安航空会社(LCC)まで、10社以上の航空会社が日台間の航路を結んでいる。また、成田国際空港(以下、成田)や大阪の関空国際空港のみならず小松や静岡など地方空港からも台湾行きの便が開設され、気軽に日台間を行き来できるようになった。しかし、それはここ数年の話である。

日台間で多くの飛行機が飛び交うことは当たり前に思えるかもしれないが、実は10~15年ほど前まで、日台間の航空路は「特異」な状態にあった。日本のナショナルフラッグキャリアである日本航空は台湾への便を設定しておらず、また台湾のチャイナエアラインやエバー航空は成田空港を使用することができなかった。

1990年生まれの日台ハーフである筆者は、子どもの頃家族で台湾に帰るのが大好きだった。そのとき、よく乗っていたのが「日本アジア航空」である。ただ、「アジア」の二文字の意味はよく分かっていなかった。10年以上前から日台間を行き来している人ならば、きっと「日本アジア航空」(JAA/日本亞細亞航空)という航空会社の存在を記憶していることであろう。この「日本アジア航空」こそ、日台間航空路における「特異」な状態の象徴であった。日本アジア航空は、1974年に日中間の定期航空路を開設した日本航空が台湾路線を飛ばせなくなった代わりに設立された。

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  • [2018.03.31]

大阪大学人間科学研究科博士課程。台湾名は葉翔太。1990年兵庫県神戸市生まれ。父は1980年代に来日した台湾人、母は日本人。小学校、中学校は日本の華僑学校に進む。専攻は華僑華人学、台湾現代史、中国近現代史。著書に『交差する台湾認識-見え隠れする「国家」と「人びと」』(勉誠出版、2016年)。

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